【Q&A】子宮筋腫がある場合の最適治療は?~宇津宮先生【医師監修】

ななさん(44歳)

受精卵は、いい卵だったのですが…、大きさはそこまで大きくないみたいですが「子宮筋腫がある」と言われました。
どうしたらいいのでしょうか?

宇津宮先生に、お話しを聞いてきました。

【医師監修】セント・ルカ産婦人科 宇津宮 隆史 先生 熊本大学医学部卒業。1988 年九州大学生体防御医学研究所講師、1989 年大分県立病院がんセンター第二婦人科部長を経て、1992年セント・ルカ産婦人科開院。国内でいち早く不妊治療に取り組んだパイオニアの一人。開院以来、妊娠数は 9,500 件を超える。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

ななさんは44歳、AMH0.01、筋腫あり、自費診療も可とのことで、あとで後悔しないような十分な治療をしたいという気持ちが伝わってきます。

それなら、まず筋腫核出術を行って、PGT-Aでしょう。そこまで行ったらもう後で後悔することはないと思います。今できる最先端の医療と思います。

筋腫は腹腔鏡なら3-5日で退院できます。(開腹なら1週間)。その後、3ヵ月は空けてから不妊治療ですのでその間にPGT-Aを行う。PGT-Aで正常胚を2個凍結できれば妊娠の可能性は高いと思います。AMHが低いので極力卵巣刺激を強くすること。ブセレリン点鼻とHMG600IU/日の併用、DHEA内服など、できる限りたくさんの卵子を得る工夫をすべきです。

筋腫はあるだけで不妊の原因になります。子宮は蠕動運動をしており、筋腫などがあるとその蠕動運動が乱れ、着床を妨げることはMRIシネマで明らかとなりました。よって、内膜から離れていて不妊とは関係のないような位置にあっても「最後の手段」の方々では手術して核出しておくべきです(AMHが平均以上でまだあと1-2年は余裕がある方には様子見で手術を延期してもよいかと思いますが)。

核出術、PGT-A、DHEAやウムなどの内服、強力な卵巣刺激でしょう。よく患者さんと話し合って決めます。患者さんの気持ちが最も重要ですので。

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