【Q&A】子宮内膜炎疑い。抗生物質を飲んでも良くならない~浅田先生【医師監修】

ほわたまさん (30歳)

以前、この妊活相談フォームでPGT-Aを勧められ、実際に行いました。同じ4ABでも、ABCの判定に分かれる結果となり、驚きました。
正常胚が1つでもあってよかったとホッとしたところです。

子宮鏡検査をしたら内膜が赤いのが目立ち「子宮内膜炎かもしれない」という判定をもらいました。
ビブラマイシンを2週間服用後、おりものが黄色くねばついており、生理が来たら、下腹部が時々痛むようになったため、自分でも子宮内膜炎だと思い込むようになりました。
ところが、ALICE検査では子宮内膜炎の病原体は見つかりませんでした。
その代わり、1年前に98%だったラクトバチルス菌がほぼ0%という結果でした。今後はもう一度、子宮鏡検査と子宮内フローラを再検査し、問題なければ正常胚を移植します。

ただ、今気になっているのは、おりものが黄色くねばついていることです。
ビブラマイシンを飲んだのに、細菌がいるということなのか、ラクトフォルテ膣坐薬の副作用なのか、分かりません。
他に病気があるのか心配なので、教えていただきたいです。よろしくお願いします。

浅田先生に聞いてきました

【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

かなりやせ型でAMH値が10ng/mlとかなり高く、橋本病と多嚢胞性卵巣症候群がありますが、相談内容の中には“ラクトバチルス”等の用語が多くあり、“子宮フローラ”“スクラッチ”“seet法”“TRIO検査”等、色々な検査等をされていますが、これらには妊娠率を上げるというエビデンスがありません。世界的にも推奨はされていませんし、世界のガイドラインでは“推奨しない”と明言されています。

妊娠できないことの理由付けとして、子宮鏡検査をしたり抗生物質を服用したりするような治療や検査はおすすめできません。妊娠率を上げる治療をしてほしいと思います。
ガイドラインでも推奨されていない検査や治療を数多くされてきたことは本当に悲しく思います。

確率の高い治療を希望されるならPGT-A検査をされることが妊娠への近道だと考えますが、ほわたまさんはAMH値が10ng/mlもあるので、非常に重症な多嚢胞性卵巣症候群です。多嚢胞性卵巣症候群の方は、卵子は数多く育ちますが最終的に成熟卵が採れにくい性質があります。そのため、そういったことを加味した卵巣刺激ができて成熟卵を採ることができる施設で治療をされることをおすすめします。

子宮側の問題で妊娠できないことを説明するのは過去の話です。本当に子宮側の問題で妊娠率が決まるのであれば、子宮外妊娠というのは考えられないことですし、免疫が大きく関与しているのであれば、他人の子宮に受精卵を移植する代理出産は成立しません。
また、抗生物質を多く服用されていますので、正常な細菌叢に戻るには時間がかかると思いますし、おすすめできません。
感染症の専門医も、抗生物質を数多く服用することは異常だと言われています。

今後は正しい卵子の知識と正しい卵巣刺激ができ、さらにPGT-A検査ができる施設で再出発されることを願っています。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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