【Q&A】刺激法で胚盤胞到達率は変わるのか?~小川達之 先生【医師監修】

パンプキンさん(36歳)

生理11日目でのE2について「問題ない」と言われましたが、低すぎるのではないでしょうか。内膜が薄すぎなければ良い、というものなのでしょうか?
なぜエストラーナテープを貼っているのに低いのでしょうか?E2は妊娠出産にどのように作用しますか?

亀田IVFクリニック幕張の小川達之先生にお伺いしました。

【医師監修】亀田IVFクリニック幕張 小川達之 先生
2009年山梨大学医学部卒業。2016年より山梨大学医学部附属病院産婦人科にて不妊治療にあたる。2024年4月より亀田IVFクリニック幕張に入職。ひとりひとり個別の状況に対応し、患者様の立場に立った医療を提供したいという想いを持って日々、診療に従事。医学博士。日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医。日本生殖医療学会生殖医療専門医・指導医。日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください
凍結融解胚移植周期における血中エストラジオール(E2)の値は、ある程度あった方がいいという意見と、内膜が厚ければ特に問題にならないという意見があります。個人的には100以上ある方が安心はしますが、症例ごとに対応しています。
E2は着床に備えて子宮内膜を増殖させるのに必要ですが、血中E2値が高いからと言って必ずしも内膜が厚くなりやすいとは限りませんし、低めでも日数が長ければある程度の厚さにはなります。自然排卵周期でも排卵期の血中E2値は150~200程度ありますので、基本的にはそれを模して投与量を設定することが多いです。ただ、数値よりも内膜の厚さを重視しています。
薬剤投与量としては、一般的にエストラーナテープ®も6枚程度までは保険診療の胚移植でも使用できますし、それに加えてエストラジオール錠(ジュリナ®)やジェル剤(ル・エストロジェル®など)も必要であれば併用可能です。
下腹部や臀部に指示通り貼っても血中E2値あまり上がらない場合、現場では貼る場所の変更を検討することもあります。ただし添付文書に記載された部位ではなくなる可能性がありますので、担当の先生とよく相談してください。
血中E2値が上がらない原因は不明ですが、皮膚からの吸収率や代謝速度の個人差などが考えられます。
パートナーや主治医とよく相談して、納得のいく治療戦略をとってください。応援しています!
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全記事、不妊治療専門医による医師監修

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