【Q&A】流産後の出血について~福田雄介先生【医師監修】

ケイティさん (44歳)
3ヶ月で心音がとまり、自然排出なく流産手術をしました。2週間たっても出血がずっと続いていましたが、内診しても特に異状なしと言われました。再度継続する出血があったので、生理なのかなと思っていましたが、おりもののような感じのやや茶色っぽい出血が続き、その後少し赤っぽい出血がありました。現在は持続する出血はないものの、腹圧がかかるとティッシュに血が付きます。先生は普通なので大丈夫と言いますが、前回の流産手術ではなかったことで、心配です。βの値は少しずつ下がり続けていますが、まだ2桁あります。
出血は手術の影響と考えられますか?

福田先生に聞いてみました。

【医師監修】福田ウイメンズクリニック 福田 雄介 先生
東邦大学医学部卒業、東邦大学医学部大学院修了。医学博士(東邦大学 平成22年)。米国ペンシルベニア大学生物学教室留学、東邦大学医学部産婦人科学教室講師などを経て福田ウイメンズクリニック副院長に就任。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医・指導医。日本生殖医学会認定生殖医療専門医。日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

●2週間経っても出血が続いているのは流産手術の影響だと考えられますか?

βhCGがまだ検出されているということなので、流産が完全に終わっていない状態だと思われます。一般的にhCGが陰性になって、卵胞の発育が始まると子宮内膜が作られ出血も止まります。

●抗リン脂質抗体は不妊にどのような影響がありますか?

抗リン脂質抗体症候群は血栓症をきたしやすい病気でその結果、流産しやすくなります。抗リン脂質抗体症候群の治療は抗血栓療法として低容量アスピリンの内服と妊娠をしたらヘパリン注射が一般的です。

●治療年数4〜5年でまだ結果が出ていないようです。抗リン脂質抗体以外にも不妊原因があると思われますか?

不妊原因は一つではない可能性はあります。不妊治療をする場合は網羅的に原因がないか検索をする必要があります。ただ、体外受精を行っているとのことなので男性因子や卵管の通過障害は除外されます。

●流産が続く場合、先生ならどのような検査や治療を提案されますか?

不育症の検査を勧めます。甲状腺機能や子宮奇形(子宮内腔の状態)などがあります。体外受精を行っているので着床前診断(PGT-A)も検討してもよいと思います。
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