【Q&A】次回採卵時の卵巣刺激法について~高橋敬一先生【医師監修】

なおさん(33歳)

2/9の受診時点では、右8個、左6個、最大17mmの卵胞が育っていました。採卵当日は排卵済みで、残った卵胞でできる限りで採卵することになりました。穿刺は、卵胞大2個、中1個、小10個で5個の卵が取れました。通常体外受精2個は未受精、未成熟卵体外培養を経て、顕微授精1個は受精確認が取れました。受精2日目か3日目で3細胞分裂でしたが、「本来なら4細胞分裂が望ましい時期。受精卵の成長がゆっくりなだけなら、胚盤胞になる可能性はゼロではないが、異常がある可能性もある」と言われました。
まだ凍結結果は出ていませんが、この1個が無事に胚盤胞凍結できたとしても、今後のことを考えると今は貯卵したい気持ちが強く、一旦移植せずもう一度採卵しようと思っています。
今回、採卵前に排卵してしまった原因は分かりません。ガニレストが上手く注射できていなかったのか、ガニレスト自体が効かなかったのか、採卵日が遅かったのか…。2回目の採卵をする場合、もう一度アンタゴニスト法をするかPPOS法にするか悩んでいます。クリニックは基本アンタゴニスト法推しのようですが、自分で調べたところ、PPOS法の方が排卵抑制が効くのかなと感じました。完全に排卵抑制するのは無理だと承知の上ですが、今回まさか採卵前に排卵してしまうとは思わず、精神的ダメージが大きかったです。受精確認で受診した際は、淡々と検査結果や受精結果を伝えられただけでいろいろ質問できる隙がなく、今、一人でモヤモヤしています。
色々な方からの意見を伺いたく今回相談させていただきました。

高橋敬一先生にお伺いしました。

【医師監修】高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生
金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。2022年10月に開院から累計で妊娠2万例を達成する。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください
今回、排卵抑制効果が十分ではなく、お気持ちがモヤモヤしているのですね。実際には、アンタゴニスト法でもPPOS法でも排卵する事はあり得ます。薬を使用しても100%の効果が得られるのではなく、同じ方法をしても効果がある周期と不十分な周期もあるのですね。
アンタゴニスト法とPPOS方の排卵抑制効果はほぼ同じ程度とも言われていますが、同じ方法ではご不安とは思いますので、次回はPPOS法を試しても良いとは思います。しかし通院している施設や医師の考えもあるので、ご希望を述べて相談なさる方が良いでしょう。
本来は、分割速度が正常のものの胚が胚盤胞にもなりやすいのですが、遅れた分割胚でも胚盤胞になることはあります。異常のある可能性もありますが、もともと胚盤胞になっても染色体異常は珍しくありません。したがって胚盤胞になったならば使用しても良いと思いますよ。

貯卵は保険では原則認められていません。胚盤胞が出来たならば胚盤胞を移植するか、廃棄して再度保険での採卵からおこなうか、採卵からすべて自費でおこなうか、の選択肢になります。
初回で思うような結果でないためお悩みと思いますが、試すべき対策はまだありますので、頑張って下さいね。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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