【Q&A】PICSIをせずに移植できる胚盤胞を育てる方法~高橋敬一先生【医師監修】

まちゃ吉さん(40歳)

30代の時からタイミングと人工受精をチャレンジするも妊娠せず、36歳で顕微授精を開始しました。病院の意向で、あまり成長しない時は初期胚で凍結し、移植していましたが、患者の意見を取り入れてくれないので、転院。今の病院で採卵すると卵が12個取れて、7個受精。2個胚盤胞になり、それで妊娠するも妊娠10週目で流産しました。採卵2回目は低刺激で1〜2個、3〜4回目の高刺激で実施するも卵が1〜2個しか採れず、胚盤胞まで育って移植しても妊娠できませんでした。まずは卵が採れてくれないと、胚盤胞になる確率が低いようです。採卵手術も痛みがあり、頑張ろうと思っていてもやっぱり痛いです。今の病院はすごく良いですが、培養士の技術は信じていません。
精子選択(ピクシー)を行ってようやく胚盤胞が安定してできますが、今の病院では「許可がおりていないから」全部の卵子にピクシーを実施してもらえません。精子もあまり状態が良くない&卵子も採れない状況なので、ピクシーは絶対実施してもらいたく、病院を転院しようかと考えています。
アドバイスをお願いします。

高橋敬一先生にお伺いしました。

【医師監修】高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生
金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。2022年10月に開院から累計で妊娠2万例を達成する。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください
ピクシーが「許可が下りていない」から全部の卵子にピクシーを実施しない理由は良く理解できません。ピクシー自体は先進医療なので、自費にはなりますが、普通におこなえるものです。当クリニックでもご希望者には普通におこなっています。
何か他の理由があるのかもしれませんね。採卵時の痛みには、必要ならば静脈麻酔をおこなえば、採卵時の痛みは感じないと思いますよ。AMHが2.49なので、高刺激の排卵誘発剤を使用すれば採卵数は増えるはずです。

しかし、まだ過体重ですので、サプリメント以外に更なる減量をすれば反応が良くなる可能性はあります。75g糖負荷試験などの糖尿病の精密検査も受けてみては如何でしょうか。もし問題があれば、その対策で胚盤胞が増える可能性もあります。
乳酸菌が少ない様なので、乳酸菌製剤の内服や胚移植前からの膣内投与もご考慮下さい。今の病院では妊娠はされたので、まずはご希望を伝えて、その反応を見てからの転院の検討でも良いと思いますよ。妊娠に実績はあるのですから頑張って下さいね。
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