【Q&A】28歳、移植4回、一度も着床しません~福田雄介先生【医師監修】

えまさん (28歳)
現在28歳、移植4回行い、一度も着床したことがありません。自然に生理が来ず、ほっておくと年に一度しかこないため、妊活開始までピルで生理を起こしていました。26歳から治療開始し、人工授精からスタートしましたが、低刺激で一切卵が育たず3周期連続で人工授精できなかったため、体外に進みました。多嚢胞性卵巣患者の様に卵がたくさん見えている状態ですが、AMH3.1で年齢の割に低く、LHとFSH比も正常でPCOS特徴から外れています。
採卵は、1回目〜4回目までuFSHあすか+ゴナールエフを使いPPOSとアンタゴニスト法で1350〜2250ほどの高刺激をして、それぞれ下記の結果。

1回目:5個顕微、初期胚1個→移植し陰性
2回目:12個顕微、胚盤胞2つ(5日目5BC、3BC)→2個移植し陰性
3回目:7個顕微、胚盤胞2つ(5日目4BC2つ)→廃棄
4回目:9個顕微、凍結ゼロ
その後転院し、ゴナペンを使い600ほどの刺激で採卵。
5回目:5個顕微、胚盤胞2つ(6日目4BA、4BC)→2個移植し陰性
同じ病院にて、レコベルをつかい2回採卵。
6回目:3個顕微、胚盤胞1つ(5日目4AA)→移植し陰性
7回目:3個顕微、胚盤胞1つ(5日目4BB)→移植待ち

受けられる着床不全検査はEMMA、ALICE以外全部行い、異常なし、ERAで窓ズレもないです。
CD138は2022/11に一度引っかかり治療。その後子宮鏡で異常だったため、再度CD138を今年春に受けて0個で完治しています。
サプリもイノシトールやメラトニン、レスベラトロール、Lカルニチンなども試しましたが、効果なし。夫の方はDFI10.78%で、正常形態率0.5%なところ以外は、異常なしです。

質問1:保険回数があと2回ですが、PGT-Aをすべきですか。
胚盤胞到達率が悪いため「PGT-Aに出すのではなくそのまま移植が良いのではないか」と言われてます。

質問2:反復着床不全の場合、腹腔鏡手術や、日付診が有効だという先生もお見かけしましたが、どうお考えですか。

質問3:保険を終えた場合、人工授精に戻ることは現実的か。生理が自然に来ないのと、卵が高刺激でないと育たないがそれでもやってくれるところはあるか。

質問4:刺激方法を変えるとしたらどは様な刺激が有効か。また、ふりかけも試すべきですか。顕微で受精率は5割程度です。

福田先生に聞いてみました。

【医師監修】福田ウイメンズクリニック 福田 雄介 先生
東邦大学医学部卒業、東邦大学医学部大学院修了。医学博士(東邦大学 平成22年)。米国ペンシルベニア大学生物学教室留学、東邦大学医学部産婦人科学教室講師などを経て福田ウイメンズクリニック副院長に就任。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医・指導医。日本生殖医学会 認定生殖医療専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

●不妊原因としてPCOSと診断されることが多いそうですが、条件には当てはまらないとのことです。他にどのような原因が考えられますか?

AMHやLH/FSHを計測した時期が気になります。月経が長期間来ていない状況でのA M Hの値は低く出る可能性があります。またLH/FSHもプラノバールなど内服した後に計測した場合は正常な値に近づきます。低刺激で卵胞が育たずゴナールで発育する点ではPCOSであると推察されます。
ただ、不妊の原因として顕微授精の数から得られた胚盤胞の数やGradeを見ると取れた卵の質に問題があると思われます。

●保険回数が残り2回でPGT-Aを受けるべきでしょうか。それとも、胚盤胞到達率が悪い場合は、PGT-Aよりも移植を続けたほうがよいでしょうか?

良好胚盤胞の移植を目指した方が良いと思います。PGT-Aは得られた良好胚盤胞の中から一番良いものを選ぶといった意味合いになります。えまさんの移植歴を拝見すると得られた良好胚盤胞は少なく、良好胚盤胞の移植はまだ2回なので移植を勧めます。

●反復着床不全の場合、腹腔鏡手術や日付診が有効でしょうか? また、先生はどのように思われますか?

6cm以上の子宮筋腫や小さくても内膜に影響する様な子宮筋腫がなければ腹腔鏡手術は有効ではないと思われます。また、ERA検査をすでに施行し結果が出ているので日付診も必要ありません。

●「生理が自然に来ない」「高刺激でしか卵が育たない」場合、保険回数を使い終えてからはどのような治療を行えばよいでしょうか?

「高刺激でしか卵が育たない」は注射にしか反応しないという事だと思いますが、タイミングや人工授精の一般不妊治療の場合でも注射(ゴナールエフ)は使用できます。ただし卵胞の発育を3個までに制限しないといけないので漸増法という形で少しずつの量から時間をかけて卵胞を発育させていきます。

●刺激方法を変える場合は、どのような刺激法が有効でしょうか?

受精率、胚盤胞到達率など考えると、OHSSに注意しできるだけ多くの卵子を回収する刺激方法になります。レコベルは1回投与量の上限が決まっているのでゴナールエフを使用し初めに多めに投与しある程度数が育つ状態になったら投与量を減らす漸減法で卵巣刺激をします。排卵を抑制する方法はPPOS法でもアンタゴニスト法でもどちらでも良いですが、簡便なPPOS法を選択します。

●今後の治療について、アドバイスをお願いします。

卵の質に関してはなかなか改善するのは難しいかもしれませんが、最近サプリメントのPQQに効果があるといった報告もあり試してみるのはいいと思います。
また、子宮内の細菌叢の検査EMMAはされていないので子宮内のラクトバシルスの割合は不明ですが、 サプリメントや腟剤を使用してラクトバシルスの割合を増やしておくことは良いと思います。
あとはいかに良い精子を使って顕微授精するかになると思います。DFIは10.78%と高くはないですが全ての精子が良いという結果ではないのでより良い精子を選別するためZymot(マイクロ流体技術を用いた精子選別)を使用して顕微授精を勧めます。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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