【Q&A】繰り返す流産について~高橋敬一先生【医師監修】

AKさん(38歳)

1度目化学流産、2度目は胎嚢、心拍確認できずに約9週の進行流産、3度目は10週の繋留流産になります。
3度目が心拍、胎嚢も確認することができたものの9週2日までの成長で止まり、流産に至りました。
3度目の流産は、NIPTテストにてターナー症候群が見つかり、染色体異常の流産でした。
3回目の流産の前には、第一子を出産しています。
主治医からは「一度の出産経験があるので、卵子にも精子にも問題がなく偶発的な胎児側の染色体異常の流産」と言われました。
出産した時と比べ、年齢が2歳あがり卵子の老化も原因の一つと言われました。
私の中ではこれだけ流産を繰り返すのはどちらかに染色体異常があるように感じています。
また、パートナーは、肥満と50代前半、不健康な食生活、メンタル的な投薬を続けています。
私は、健康体で飲酒、タバコも吸わなく、健康的な食生活を続けています。
主治医の見解だけでは不安で、セカンドオピニオンのご見解をお聞きできればと思っています。
染色体異常が原因であれば次の妊娠も同じことが起こりうる心配がとても強いです。
やはりどちらかの染色体異常が原因と考えられますでしょうか。
よろしくお願いいたします。

高橋敬一先生にお伺いしました。

【医師監修】高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生
金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。2022年10月に開院から累計で妊娠2万例を達成する。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください
流産に関してとてもご心配なのですね。
一般的には化学流産はしばしばおこっており流産の回数には算入しません。
医学的には、1回目流産、2回目正常妊娠/出産、3回目流産との認識になります。
また3回目の妊娠の流産は、偶然おこった胎児の染色体異常と考えられます。
したがって、習慣流産・不育症を強く疑う状況ではないのです。
夫婦の染色体異常も疑う状況にはないのですね。
一方、検査をしていないので「不育症の原因は0%」とも言えないので、医学的には検査をお勧めはしないのですが、気になる場合には検査を受ける意義を否定するものではありません
どうしても気になるならば検査を受ける方がスッキリとするでしょう。
抗リン脂質抗体異常症と記載されていますが、すでに検査を受けて診断されているのでしょうか?
もしそうならば、血液凝固を抑えるバイアスピリンなどを使用することになあると思います。

経過からは、現時点での流産の原因は「偶然おきた胎児の染色体異常」の可能性が最も高いので、特別な治療ではなく、早く妊娠する方針だと思います。
なお、やせ過ぎである事は気になります。
ビタミンD、たんぱく質、血糖検査なども確認はしておく方が良いでしょう。
流産がとても不安のようですが、今回の経過は特別おかしな状況ではありませんよ。
頑張って前に進んで下さいね。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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