子宮腺筋症と筋腫の治療が必要です。 着床への影響は?

きなこさん(43 歳)  

3 回胚移植をしていますが、一度も着床していません。主治医から子宮腺筋症の開腹手術と、子宮筋腫の摘出手術を提案されています。手術療法、薬物療法、または偽閉経療法で治療を行って胚移植するなど、どの方法がいいでしょうか? 

 

明大前アートクリニック 北村 誠司 先生 1987 年、慶應義塾大学医学部卒業。1990 年、同大学産婦人科IVFチームに配属。1993年、荻窪病院に入職。2008 年、虹クリニック、院長として就任。2018 年2月、明大前アートクリニック開設。医学博士。日本産科婦人科学会専門医。日本生殖医学会生殖医療専門医。日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。
北村先生●子宮腺筋症が着床に影響することは、十分考えられます。開腹手術のメリットは、受精卵が着床しやすくなり、妊娠しやすくなること。デメリットは病巣の切除により、妊娠中の子宮破裂の可能性が高まることです。ただ、手術による着床不全のリスクは心配ないと思います。
 偽閉経療法はホルモンの注射薬、貼り薬、点鼻薬などで4〜5カ月間生理を止め、子宮腺筋症などを小さくして妊娠しやすくする方法です。手術よりも体への負担やリスクが少ないため、こちらを検討されてもいいでしょう。きなこさんは、年齢が高くなっているので、良好な胚盤胞をつくることを最優先にし、次に子宮腺筋症の治療を行って、移植に進むのがいいかと思います。
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