クラミジアの治療と胚移植は 同じ時期に行っても大丈夫?

ごまつぶさん(39 歳)

クラミジア抗体が陽性になり、抗菌薬を2 週間処方されています。その1 週間後に胚盤胞移植の予定ですが、抗菌薬が子宮のラクトフローラに影響しないか心配です。移植を延期すべきですか? 移植前のTRIO 検査も迷っています。ごまつぶさん(39 歳)

 

福井 敬介 先生  日本大学医学部卒業。卒業と同時に愛媛大学産科婦人科に入局。愛媛大学 大学院医学専攻科修了。2000年愛媛大学産科婦人科学助教授。2001年、「高度な生殖医療をより身近な医療として不妊カップルに提供したい」と福井 ウィメンズクリニックを開設する。
福井先生●近年、子宮内にも多様な細菌が存在することがわかり、特に乳酸菌(ラクトバチルス菌)が多いほど、妊娠に有利という研究データもあります。乳酸菌は抗菌薬に弱く、死滅する可能性は否定できません。抗菌薬の投与期間と胚移植の期間は分け、抗原・抗体検査で改善を確認して移植するといいと思います。
 また、感染症の既往歴がある方は、慢性子宮内膜炎の原因となる細菌に混合感染し、着床に影響する可能性も指摘されています。慢性子宮内膜炎はALICE、乳酸菌はEMMA で調べることができ、着床の窓を調べるERAと一緒にできます。抗菌薬の服用直後は細菌環境が安定しないので、最低1カ月はあけて検査を受けるといいでしょう。
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