【Q&A】排卵刺激~政井先生

ふみさん(32歳)

今までに1年クロミッドによる排卵刺激をしてきました。数回したころに1日1回の服用でしたが、1日2回のクロミッドになりました。
加味逍遙散も追加となりました。しかし、最近、1日2回のクロミッドの服用では卵胞の育ちが悪く、クロミッドの他に注射も行うことになりました。刺激を強くしていくことで、質の良い卵子となるのですか?薬に耐性ができ、今後卵胞が育たないということはありますか?
また、卵胞が10ミリ以降育ちが悪いと主治医は言っていました。原因はなんですか?卵胞を育てるためにできることはありますか?
ちなみに、姉も不妊治療中ですが未だに妊娠できていないそうです。不妊は遺伝しますか?

政井先生にお聞きしました。

佐久平エンゼルクリニック 政井 哲兵 先生
鹿児島大学医学部卒業。東京都立府中病院、日本赤十字医 療センター、佐久市立国保浅間総合病院、高崎ARTクリニック 勤務を経て、2014年に佐久平エンゼルクリニックを開院。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください
ご相談ありがとうございます。
クロミッドで卵胞発育不良になって来ているとのことですが、卵胞発育不良の原因が、卵巣機能不全(卵子の数が少なく卵巣機能が悪い)なのか、多嚢胞性卵巣(卵子はたくさんあるが排卵がしにくい状態)なのか、AMH検査などを参考に一度確認してみてもよいかと思います。
排卵障害の原因によって以後の治療方針が変わってくると思います
たとえば、多嚢胞で卵子はあるけど排卵しにくい(クロミッド2錠でも排卵しにくい)となると、排卵誘発剤の種類をフェマーラ(レトロゾール)に変えたり、場合によっては注射の連日投与に変更したりなど薬の種類を変えて排卵を促す方向になってくると思います。
逆に卵巣機能不全で卵胞が育ちにくいとなれば、残された卵子がさらに減って無くなってしまう前に体外受精にステップアップする必要も出てくると思います。
AMHをまだ測ったことがなければ、ぜひ一度確認してみて下さい。

不妊の遺伝についてですが、不妊は必ずしも女性側の要因だけではありません。
また、全ての不妊が遺伝するというものでもありません。
いずれにしても、現在治療が足踏み状態にあると推察されますので、現在おかかりの主治医の先生に、AMHなど追加検査の必要性や、次の一手についてよく相談いただいて、悔いの残らない治療をぜひ受けていただけたらと思います。
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