【Q&A】移植8回目に向けた対策について~高橋敬一先生

まいぷさん(30歳)

夫が無精子症のため、顕微授精にて治療中です。採卵4回、移植7回しても授かれず、不育症検査はすべて実施していますが、特に大きな要因は見つかりませんでした。今までの治療歴から、次周期の対策について教えてください。
すべてホルモン補充周期
移植1回目:SEET法:化学流産
(不育症検査実施:ビタミンD、亜鉛服用開始)
移植2回目:SEET法:胎嚢確認後、稽留流産
移植3回目:G-CSF:陰性
移植4回目:初期胚+胚盤胞の2段階移植:陰性
移植5回目:FD-PRP(3つ同時移植):化学流産
移植6回目:SEET法(2つ同時移植):化学流産
(中隔子宮のため、子宮鏡手術実施)
移植7回目:SEET法(正常胚):心拍確認後、流産
今流産手術が終わり、生理待ちです。
凍結卵は6日目胚盤胞が8割くらいで多めですが、グレードや分割数はそこまで悪くありません。
凍結卵の中でグレードのいいものをPGT-Aし、6個中正常胚3、モザイク1、不良2という結果でした。
残りの正常胚2つを移植してもだめだった場合、諦めようと思っています。
今後は、
1.着床の窓を再検査
2.残り2つの正常胚の移植法は、スクラッチ法・hcg注入法を実施予定 としています。
試していないものでいえば、免疫グロブリンがありますが、高額のため、迷っています。

高橋敬一先生にお伺いしました。

高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生
金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。
2022年10月に開院から累計で妊娠2万例を達成する。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください 
妊娠はしているものの、流産が続き治療法にお悩みなのですね。
基本的には、年齢も若いので、まだ諦める必要はないと思います。
不育症の検査は問題ないとの事でしたので、この再検査は必要ないでしょう。
子宮中隔は習慣流産の原因にもなります。
むしろ中隔子宮で中隔切除後の胚移植はまだ1回です。
今回は流産でしたが、今のまま胚移植をする方針でも十分だと思います。
妊娠はしているので、着床の窓の検査は重要な位置づけにはならないと思います。
スクラッチ法もHCG注入も、本来は着床不全におこなうもので、流産予防のデータは不十分だと思います。
免疫グロブリンも本来着床しない方が対象であり、今回挙げられている治療法はすべてその様な方が対象なのですね。
様々な治療法を調べていらっしゃり、情報が多く、むしろ不安になってしまっているのではないでしょうか。
今回の治療でもっとも確実なデータがある治療法は、子宮中隔の切除と言っても良いのです。
その治療法をおこない、流産はしたものの妊娠はしています。
あとはPGT-Aの正常胚を胚移植することが正攻法だと思いますよ。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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