エルモさん(46歳) 
46歳です。不妊治療をはじめて3年、体外受精顕微授精、高刺激といろいろしました。
一度妊娠陽性でましたが、すぐに陰性になってしまいました。
それから変性卵、空胞など1年は採卵がうまくいかず、転院して低刺激の治療で採卵して卵が1つとれました。
しかしフラグメント50%で、「移植には向かないが移植するか、また採卵をするか決めてきてほしい」と言われました。
46という年齢でそろそろ不妊治療も最後にしなければと思っているので、迷います。
フラグメントが多い卵が妊娠に至った場合胎児に障害のような影響はありますか。

稲垣先生にご意見をに聞いてきました。

いながきレディースクリニック 稲垣 誠 先生 
1994 年、浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院、鹿児島市立病院、聖隷沼津病院などで産婦人科医の経験を重ね、2012 年、不妊治療専門施設「いながきレディースクリニック」を開院。「お一人ひとりに寄り添いながら、それぞれの患者さまに合った最適な治療を心がけています」

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
・フラグメントとは何か教えてください!
フラグメントとは受精卵が分割する際に割球に取り込まれずこぼれてしまったものをさします。受精卵の分類でVEEK分類がありますが、グレード5といってフラグメントが50%を超えて、割球とフラグメントとの識別が困難な胚になると胚移植の対象から除外されます。
・再度採卵する場合、高刺激と低刺激のどちらを試してみればよいでしょうか?
高刺激低刺激の選択はケースバイケースかと思います。
採卵間隔が短い場合は低刺激のほうがいいかもしれません。

もし、最後の採卵と位置付けるのであれば敢えて高刺激で実施したりなど、当院では様々な因子を総合して判断しています。

・不妊治療の辞め時についてアドバイスをください。

最終的には患者さまが納得できる終わり方ができることが肝要と思います。
時計は戻すことはできませんので後悔のないようにご夫婦で十分に話し合って結論を出していただきたいとお伝えしています。
・今後の治療へのアドバイスをください。
相談者様の年齢的に自費診療となっていますので、今回の受精卵をいったん凍結したうえで再度採卵をしてみてはどうでしょうか。
次周期以降の採卵でより良い受精卵が獲得出来たらその受精卵と、今回の受精卵と合わせて2つの受精卵を胚移植することができ、無駄もないと思います。
たとえ今後数周期の採卵を経ても良好胚が獲得できなくても、最終的に今回の受精卵を融解胚移植して区切りとすることもできます。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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