【Q&A】次回の治療方針について~向田先生

メイさん(39歳)

2022年1月から不妊専門のクリニックで治療開始。
人工授精3回 全て陰性、アンタゴニスト法で採卵15個、10個の胚盤胞(6個体外受精4個顕微授精)を凍結しました。
主人の精子検査は問題なし。
私自身は治療開始時38歳、AMHが高く、インスリン抵抗値検査を受け、人工授精時にはメトグルコを服用。
卵が育ちにくく、月経周期も32〜34日と少し長い傾向にあります。
2度目の顕微授精が陰性になり、着床不全ERA検査を行い移植するか、検査をせずPGT-Aを行い移植をするかで迷っています。
現在通っているクリニックのお勧めは前者ですが、ERA検査だけでなく、PGT-A検査もすべきか、はたまた他のするべき選択肢(ポリープ・子宮筋腫の切除等)はあるのかお伺いしたいです。
よろしくお願い致します。

広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。

ク 向田哲 先生 高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

2回移植して陰性だったので、次回の移植の前にERA検査を行うか、ERA検査は行わずにPGT-A検査を行うか迷っているということですね。

これだけ凍結胚があるので、ERA検査をやったりPGT-A検査を行うのはまだ早いのではないでしょうか。それより前にもっと簡単にトライする余地があると思います。

まず、PGT-Aですが、PGT-Aを行うためには凍結している受精卵を融解しないといけません。

そして、一部の細胞をとって検査にだして、再凍結になります。

すでに一度凍結しているのであれば、どうしても流産回避や絶対的適応でない限りは、今ある凍結受精卵を溶かして、一部の細胞を取って再凍結というのはコストと時間がかかるのでしない方がいいと思います。

それと、ERA検査ですが、ERA検査を行ったとしても、これまでのデータでは7割がレセプティブ(着床の窓がずれていなかった) で検査結果が戻ってきます。」

また、ERA検査の結果が毎回同じとは限らないと思っています。

ERA検査は遺伝子発現を見ているだけなので、検査時の着床の窓と、移植時の着床の窓が絶対一緒とは言えません。

だから、次は違うタイミングや方法で移植するという方法もあります。

従来はプロゲステロンを開始して6日目に移植するところを、もう1日伸ばして移植してみるとか。

もしくは、これだけ受精卵があって、着床の窓が気になるのであれば、5日目に1個移植し、6日目に1個移植する二段階胚盤胞移植という方法もあります。

もし着床の窓がズレていたとしても、どちらかであたりますよね。

ERA検査は1周期、薬を使って検体採取などをして20万円近くかかると思います。

だからもし、どうしてもERA検査を希望するのであれば、EMMA、ALICEも一緒に調べたほうがいいです。

しかし、その検査の有用性がどこまであるのかということを考えてみると、違った方法で内膜作成方法にトライしてみたり、2段階胚盤胞移植法をやってみるとか、今まで行っていない方法でアプローチをする価値はあると思います。

 

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。