Suuさん(37歳)
山口先生にお聞きしました。
排卵と同時に内膜が剥離し、生理が来る、、、とのことですが、現在、排卵時期を見定めてタイミングを計られているのでしょうか?もし自然周期の排卵で排卵直後であれば、E2が57pg/mlで卵胞期のレベルと仰られていますが排卵前は計測されておられますか? 排卵後一時的に下がりますので必ずしも卵胞期とは言えないと思います。下がりすぎることで内膜が破綻してしまうのかも知れません。
排卵前の内膜の厚さはどうでしょうか?またFSHが17.6mIU/ml とのことですがLHサージが出たあとならやや高めに測定されます。月経開始時期に測定することもお奨めします。ただし、カウフマン療法後やピル内服後はFSHやLHは低めに出ることがあります。内膜症性嚢胞の手術も受けておられAMHも低く、年齢も37歳とのことですから、経過をみて思いましたことは、卵巣機能が低下しており、未熟な卵のまま早発LHサージが起きて排卵期の不正出血が起こっているように思います。
「卵胞発育が不十分。→卵胞発育が不十分なまま排卵へ向かっています。→排卵前の卵胞ホルモンが低いまま、排卵してさらに低くなる。低くて内膜の肥厚が不十分なため破綻出血し内膜が剥離する。」といった現象が起きているように思います。
カウフマン療法、ピルでリセットをすればある程度、下垂体ホルモンを押さえ込むことはできるのですが、卵巣機能の低下している方ではあまり押さえ込めず、卵胞発育を仕切り直すことが難しいと思います。
限られたデータからの推測でしか話ができませんが、カウフマン療法、ピルで下垂体ホルモンを抑制しつつ、GnRHアゴニストでさらに下垂体を抑制し、内因性のFSHやLHの上昇に影響されないように、hMG製剤やhCG製剤で採卵して体外受精での治療を行うことを推奨します。その間に内膜がある程度厚くなるのであれば内膜についても問題は解消されるのではないでしょうか。
不正出血や内膜破綻の原因が卵巣機能低下による早発LHサージがおこり、卵も未熟なまま、内膜も厚みがないまま排卵期を迎えてしまっているように思います。