【Q&A】二人目不妊、今後の治療について~村田泰隆先生

40代に入っての二人目不妊。なかなか授からず、時間も限られ、葛藤している方もいるのではないでしょうか。

村田先生にお話を伺いました。

村田泰隆 先生(ARTクリニックみらい院長)
1994年 名古屋大学医学部卒業後、安城更生病院にて産婦人科全般に従事。1998年 名古屋大学付属病院にて、周産期・不妊症を専門に診療および研究。2003年 名古屋大学医学部大学院卒業後、IVF大阪クリニック・なんばクリニックにて4年にわたり体外受精年間1500周期以上の臨床経験を積む。2007年 竹内病院トヨタ不妊センター長、2010年 エンジェルベルクリニック不妊センター長を経て、2016年 ARTクリニックみらい開院。5年間で約3200例を妊娠出産に導く。個々の背景や将来の家族計画に合わせた治療を信条としている。医学博士。日本産科婦人科学会専門医。日本生殖医学会認定生殖医療専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
にこさん(43歳) 
40歳で1人目を出産しました。
仕事復帰の時期もあり、子どもが1年半を迎える前に2人目の不妊治療を再開しました。
1人目の時凍結していた胚盤胞を3つのうち1つを移殖したものの着床せず、子宮内検査を実施。
荒れていたため薬で膣内環境改善など試したあと残りの2つを順に移殖しましたが着床しなかったため、PGT-Aに踏み切りました。
PGT-Aは2回実施。1回目は4つ検査に出しましたがすべて結果が出ず、2回目は4つ検査に出して1つが良好胚、もう1つが高頻度モザイク胚でした。
2022年1月下旬に良好胚を戻しましたが、2月4日、着床せずに終わってしまいました。
現在43歳です。私はどうしても授かりたい!と思ってます。
次もう一度採卵をしてPGT-Aを行う予定ですが、この先の治療法として他に何かアドバイス欲しいです。
ERA検査もあるとは聞いてますが、そちらもやってみた方がよいですか?
最近の採卵で5~7つ取れ、そのあと胚盤胞までは3~4つくらいという状況です。
ようやく得られたPGTーA良好胚(A判定)で結果が得られず、さぞや残念な思いをされたことと思います。
A 判定の良好胚であっても、着床率は60-70%程度。PGT検査ではわかりえない異常、質の低下が隠れていることもあります。
着床に関しては、第一子を出産した経験から潜在能力は実証済みです。自信をもって臨んでください。
43歳での不妊治療、なんといっても卵子の質、特に『染色体の数』がカギとなります。染色体の異数性頻度は年齢とともに明らかに上昇しますので、まさに『時間との闘い』です。
人生の少しでも早い段階に、一つでも多くの卵子を取り出しての体外受精、そしてPGT-Aを根気よく続けることをお勧めします。
A判定胚に出会うのに、場合によっては複数回の採卵が必要かもしれません。
卵巣予備能は比較的保たれており、これまで胚盤胞が複数得られている方ですので、チャンスはあると信じます。
ERA検査に関しては、着床の窓は年齢経過で変化する可能性があり、チャンスを絶対に逃さぬよう、貴重胚の受け入れ前には実施しておくとよいでしょう。
ご夫婦おふたりで将来にわたる健康や若さをイメージし、食事や運動、生活リズムにも気を配りつつ、今の前向きな気持ちを維持して希望をもって挑んでください。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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