初めての人工授精でまさかの子宮外妊娠…

初めての人工授精でまさかの子宮外妊娠

一時は心が折れかけたけれど、諦めずに続けてよかったです。

タイミング法からステップアップした1回目の人工授精で予想外の子宮外妊娠という結果に。

自分を責め、妊活を諦めかけていたアイさんでしたが、気持ちをリセットして臨んだ体外受精で妊娠できました。

不安要素を残しつつ妊活を優先することに

「お腹が減るタイミングが同じ(笑)。一緒にいて、全然苦にならなかった」と抜群の相性をお互いに感じて結婚したのは、アイさん25歳、リュウさん26歳の時。小学生の頃から生理痛で婦人科を受診し、生理周期が激しく遅れるなど心配な要素を持ち合わせていたアイさんは、結婚1年目で妊活のための通院を始めました。

「なかなか排卵しなくて、最終的には45日周期に。病院で検査してもらったけど、結局その原因はわからないままでした」

生理不順の治療よりも子どもが欲しい気持ちを優先するため妊活を開始。生理の遅れは気になりながらも年齢的に若く、生理不順の原因をはじめ特に不妊の要素もその時点では見つかっていなかったこともあり、まずはタイミング法から始めることにしました。

子宮外妊娠の結果に自分勝手な部分が…

何度かタイミングをとっても妊娠には至らなかったので、卵管通水検査後に初めての人工授精を。

「人工授精1回目で陽性反応が出て、すごく喜びました。毎日、幸せな時間を過ごしていました」

しかし、陽性反応が出てから3週間後、子宮外妊娠の可能性をドクターに告げられます。確定の診断はその1週間後。今までで、もっとも長く感じた時間だったそう。

「大喜びしていただけに、落差がとにかく大きくて。しかも、手術はしたくないから自然と流れてくれないかなって思った自分がいました。なんて勝手なことを思うのかって、自分自身が本当にイヤでたまらなくなりました」

子宮外妊娠後の卵管除去手術を受けて右側卵管がなくなったこと、子宮外妊娠そのもののショック、そして、自分に対するマイナスの感情が大きく膨れ、アイさんは妊活を継続する気力を失ってしまったそう。「主人や母は、一度妊娠できたから、次はすぐにできるよって言ってくれました。私を励ますつもりだったのは理解できたけど、その時は嬉しいとは思えなくて。でも、治療再開できたのは、その言葉があったからだと、今なら思えます」

主治医が推薦してくれた専門クリニックへ転院

アイさんの治療再開には、SNSの存在もありました。入院中、アカウントを作って同じ時期に子宮外妊娠で苦しんでいた女性たちとつながり、互いに悩みを打ち明け、励まし合ったりしていたそう。

「子宮外妊娠後すぐに妊娠できた人や、両方の卵管を切除した人など、いろんな経験を聞いているうちに、もう一度頑張ろうと前向きに思うようになりました」

しばらくして、また妊活したいと打ち明けると、「なんでも協力するよ」とリュウさん。子宮外妊娠だったとはいえ、最初の人工授精で妊娠できたことから、同じ婦人科で人工授精から治療再開。でも、トータルで6回トライした人工授精でなかなか妊娠できなかったので、新たな治療を求めてドクターに転院を相談することにしました。

「総合病院で卵管除去手術を受けた時にもわざわざ立ち会ってくれた先生。人柄的にはすごく好きで、本当に感謝しています。でも、妊活だけを考えると、ちょっと長く通いすぎたのかもしれません」

子どもの頃からの主治医として、「この先生なら」と推薦してくれた3候補の中から、県内の不妊専門クリニックを選びました。

迷い、遠回りしたけど、最終的には決断が大事!

転院先で基本的な不妊検査をひと通り受けたアイさんとリュウさん。今まで妊娠できなかった理由が見つかるかと思いきや、不妊につながるような気になる数値は一つもなかったそうです。

「こんなに子どもができないのだから、何か原因が見つかるだろうと思っていました。だから、何もないって言われて、逆になんで?って…。どういうタイミングでステップアップしていいのかとか、そこからしばらくは、ふわふわと、迷った状態が続いていました」

転院先のドクターには最初から体外受精を提案されたそうですが、原因がなく、専門クリニックに転院したという環境の変化もあったため、まずは人工授精を試すことを希望。精子の洗浄や選別など、今までとは違う方法にも希望を感じました。でも、排卵誘発剤をレトロゾールに替えてからしばらくは卵胞が最後まで育たなかったり、卵管を切除した右側で排卵したりと、なかなか思った通りには進みません。県内とはいえ片道約40分の距離で3日に1回通うなど負担も大きく、受診後は泣きながら帰ることも多かったそう。

二人で望んだ人工授精の選択でしたが、転院前の初回からすでに8回目となった人工授精での失敗後、いよいよ体外受精しかないなと決意。初めての採卵で30個卵子を採ることができ、胚盤胞に到達したのは7個。グレード的には少し低めでしたが、「できる時は、できる」というドクターの言葉を信じて初めての移植を行い、まさかの1回目で陽性反応が! 子宮外妊娠のショックを経験していた二人は「まだ喜ぶのは早い」と、お互い冷静に過ごすことを心がけていたそうです。その後は順調に育ち、子宮内に胎囊を確認できてようやく安心。改めて二人で喜びを分かち合いました。

出産予定は5月。アイさんは妊活中に芽生えた健康への意識を高め、毎日を大切に過ごしています。

「私は体外受精に進んでからすぐに妊娠できたけど、体外受精を決意するまで2年半かかってしまいました。治療が長くなるほどステップアップのタイミングは難しくなるけど、やっぱり思いきりは大事だと今は思います。私の経験談が少しでも、今、治療に迷っている人の役に立てばいいなと思っています」

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。