【Q&A】体外受精するべきか悩んでいます~出居 貞義先生

40代で初めて妊活を考えたとき、不妊検査で特に異常がない場合、すぐに体外受精を選択すべきなのか、とりあえず状況を見たほうが良いのか、わからないものですよね・・・・。

高齢での妊娠を望む場合、どう進むべきか・・・、

出居先生に、聞いてみました。

大宮レディスクリニック 出居 貞義(いでい さだよし)先生   栃木県出身。 自治医科大学産婦人科学教室に入局。 99年には不妊部門の主任となり、その翌年に上都賀総合病院の産婦人科病棟医長を歴任。 その後は各地で常勤・非常勤医師として活躍し、2004年に大宮レディスクリニックを開業。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
メアリさん(43歳) 私は現在43歳、夫は49歳です。
42歳の時(2021年4月)に再婚し、妊娠経験はありません。
結婚して半年ぐらいまではひどいアトピーだったため、妊活もままならない状態で、
アトピーの症状もよくなり本格的に妊活を始められたのは、3ヶ月ぐらい前からです。
(結婚当初から葉酸サプリ夫婦共に摂取しています。)
11月に、一通りの不妊検査を受けようと思い、夫と共に受診した結果、私も夫も数値的には状態がよく、異常なしでした。
卵管もきれいに通っていると言われました。
不妊治療するとしたら、年齢的にも今すぐ体外受精を勧めると言われましたが、
一方で、確率は自然妊娠も体外受精も3%程度なので、体外受精も費用がかかるため、強くは勧めません、と言われました。
体の状態が悪ければ不妊治療も積極的に考えましたが、二人共現時点で問題がなかったので、
どちらも確率が低いなら自然に任せて、できたら嬉しいし、できなかったら二人の生活を楽しもうと夫婦で話をしました。
しかし、この選択が本当に良いものなのか、確率が低くても体外受精にチャレンジした方が、自然妊娠よりは望みがあるのかなど、どこかでまだ悩んでいます。
セカンドオピニオンとして他の病院で相談するにも、どこに行ったら良いかわからないのが現状です。
夫婦が納得行くように決断するのが一番だとは思いますが、専門的な意見も伺いたく、ご相談させていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします
メアリーさんのAMH は2.56と良好で月経周期も30日、卵管も通っているということなので十分妊娠可能と思われます
夫の精液検査ですが精子濃度が22×M/ml 、運動率も58.7%と悪くはないのですが、当院での妊娠しやすい人のデータは、精子濃度が80×M/ml以上、運動率80%以上となっています。精液量4mlと良好なので、朝食を摂っていない可能性が高く、その場合は玄米と具だくさんの味噌汁と納豆を中心とした十分な朝食を必ず摂るようにして頂けると精子の濃度と運動率は改善すると思われます。
コロナワクチンが作り出すスパイク蛋白がFC2受容体がある精巣を攻撃して精液所見を悪くしてしまうので避けることをお勧めします。

気になる点としましては、メアリーさんが結婚して半年ぐらいまでひどいアトピーで妊活もままならなかったという点が心配です。おそらくメアリーさんはストレス性のアトピーで、新婚生活では誰にでもあることなのですが、それが吹き出しやすいということは体の中に過剰な活性酸素が普通の方よりも多いということを教えてくれます。それを改善するには、食生活と生活習慣を変えてください。下記のリンクが役に立つと思いますので付記しておきます。

https://ivfdoctor.jp/2021/11/09/食事と生活スタイルを変えると2〜3か月後には/

https://ivfdoctor.jp/2021/11/01/【qa】凍結までいきません~出居先生/

https://www.youtube.com/watch?v=Qj_EknoKFVE    「パンと牛乳は今すぐやめなさい!」を世界一わかりやすく要約してみた


不妊治療を始めるならば、人工授精から始めてください。ご主人の精子の濃度が上がらなければ良好精子が少ないということを教えてくれます。

当院のAIHで妊娠した方々の精子濃度の平均値は80 → 150M/mlとなっています。また人工授精で妊娠した方のデータを解析したところ、処置後の精子の運動率が85%以上でなければほとんど妊娠しない(1%以下)と言う結果が出ていますので、それらを参考にして体外受精をするかどうか検討されてみてはいかがでしょうか。
   妊娠の可能性は一般的な統計データでは自然妊娠と変わらない3%とのお話を受けていると思いますが、これは体質改善をせずに排卵誘発や人工授精、そして体外受精をした時の平均的な妊娠率です。

でも、私が述べるような個別の対応をされて妊孕性を上げてもらえば、その妊娠の可能性はアップしますので頑張ってください。   加齢による忍孕性の低下や流産率の上昇は、栄養不良による代謝の低下とそれに伴う活性酸素を除去する能力低下により引き起きるもので、うっすらと汗をかくぐらいの軽い運動と生活習慣と食生活の改善を試みてください。

現在当院では卵巣機能が弱った方、精液所見が不良の方の改善をしながらの不妊治療を積極的に推進しています。
   

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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