保険適用のニュースもあって、ステップアップするべきか悩むこともありますね。
保険適用に関する内容は、まだ確定していない部分が多いので、はっきり書くことが出来ませんが、医療的な見解から、ステップアップするべきか?
なかむらレディースクリニックの中村嘉宏先生に医師の立場から教えていただきました。
natsumeさん(40歳)
現在40歳、AMH0.7。1人目は36歳の時(平成29年)に人工授精4回目で出産しています。
子どもが1歳の頃から二人目の不妊治療開始。人工授精から始め、令和2年度体外にステップアップしました。
4回の体外受精をして、顕微授精も含め採卵数も少なく凍結胚2個。
2021年2月に4回目の体外受精をしていますが、8個採卵した中は1つのみ胚盤胞になり凍結。しかしグレードはD D1と悪く、5月に移植しましたが陰性。
令和3年度になって不妊鍼灸に通い、不妊治療は人工授精にステップダウンして現在も通院は続けています。
令和4年のこの春から不妊治療の保険制度が変わるのもあり、また体外をした方がよいのか、病院を変えるべきなのか迷っています。
春を待たずに体外を再開すべきかとも思いますが、金銭的な負担は大きく、結果も伴わなかった経験から躊躇しています。
でも2人目を諦められない状態です。
また、2022年4月からは不妊治療の保険適用の報道で、現段階でその適用範囲に年齢制限があり、40歳から43歳は3回までの適用と記載されていました。
これは体外受精から移植までをサイクルとした場合は適用であるならば、私はあと3回は保険適用範囲ということと思います。
なので、助成金のあるこの年度内にまだ体外にトライしたほうがいいのでしょうか。
報道内容は治療開始時となると不妊治療そのものを始めた時の年齢をさすので体外6回までが適用範囲になるのでしょうか。そのあたりが不明です。
ちなみに、助成金システムの所得制限が撤廃された際に、2021年2月体外受精-5月移植の治療は、助成金を初回申請して、助成金を頂きました。
その助成制度でいうとあと5回は申請できる範囲にいます。
不妊治療が保険適用されるようになるとこの助成制度はなくなるとのことで、迷っています。
厳しい言い方になりますが、原因がないとありますが、妊娠しにくい原因はひとえに加齢による卵子の質の低下です。40歳になると36歳のときに比べて妊娠率はかなり低下します。
加齢による卵子の質の低下に対しては、取り立てていい治療法や対策があるわけではありません。
不妊鍼灸も卵子の質を改善しません。
これまでの治療歴より、採卵8個、胚盤胞凍結1個と言う結果との事ですので、やや胚盤胞形成率が低いかもしれません。
卵子が質低下や染色体異常などの影響を受けていて、胚盤胞まで発育しなかったと考えます。
大切なことは、卵子の質の低下は全部の卵子に起こっているわけではありません。
40歳の方なので、残っている卵子の中には妊娠までいたるいい卵子が残っている可能性は十分にあります。いままで体外受精でうまくいかなかったようですが、治療法として最も妊娠率が高いのは体外受精ですので早めに再開することをお勧めします。心身ともに大変ですが、繰り返し採卵、移植を行うことで出生に至る卵子に巡り合える可能性を十分に秘めています。
これは良い事ですが、AMHが低いわりに採卵数が8個とれているので卵巣の反応性はいいと思います。とはいえ、体外受精をしていない間にも卵巣の反応性が低下してくる可能性があるので保険適応を待つより、早めに体外受精を再開された方がいいでしょう。経済的なご負担はよくわかるのですが、助成金も活用できるのであれば、ぜひチャレンジして欲しいと思います。
体外受精の保険適応については、我々生殖医療に従事する専門医であってもどういった制度設計になるかは知らされておりません。まだ誰にもわかっていない段階なのでなんともアドバイスできないので申し訳ないです。
今回は厳しい内容の回答になってしまいましたが、不妊治療は時間との戦いになる側面がありますので、諦めずに前向きに取り組んでもらいたいと願います。