なかなか着床しない時…着床の窓がずれているのでは?
そう思うこともあります。
どんな時に検査するべきなのでしょうか?
レディースクリニックあいいくの樋渡小百合院長先生に教えていただきました。
樋渡 小百合 先生
2005年鹿児島大学医学部医学科卒業。鹿児島大学産婦人科に入局、県立大島病院、国立病院機構都城医療センター、愛媛県松山赤十字病院等を経て、2016年より鹿児島大学産婦人科生殖医療グループで修練、診療を行う。2019年医療法人愛育会愛育病院およびレディースクリニックあいいくに入職、2020年より院長。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
ころんさん(33歳)
1年前に人工授精で妊娠しましたが7週で稽留流産してしまいました。
その後、授からず、採卵してスプリット法にて凍結胚を3個(グレード4AB、4BB、4BC)得られました。
凍結胚移植しましたが、1回目(4AB)失敗。
凍結胚も多くなく、もしかしたら、着床の窓がずれていたらどうしよう…という不安な気持ちです。
ERA検査は高額なので、子宮内の細菌培養と不育症検査をしましたが、問題ありませんでした。染色体検査は行っていません。
先日、2回目の胚移植(4BB)を終えました。
どちらも、アシステッドハッチ、エンブリオグルーを実施しています。
良好胚を移植しても妊娠に至らない場合、どうしたら良いでしょうか?
やはり回数を重ねるしかないのか、仕事のストレスが関係しているのか…。それとも
ERA検査を実施して着床の窓を確認した方がいいのでしょうか?
一番良好だった胚盤胞が着床しなかったという結果、 とても落胆されたことと思います。お辛かったですね。
病院によっても多少違いがありますが、今のご年齢で、 グレードの良好な胚盤胞は、だいたい50%前後の着床率であり、 1個陰性だったからといって、 着床の窓に問題があるとはすぐは疑いません。
2回目の移植を終えたとのことですので、 今回が無事に着床してくれるといいなと思いつつ、 もし陰性でしたら提案させていただきたいお話になりますが・・・ 。
残っている胚が、グレードが落ちるため、次は採卵して、 良好胚を獲得することを提案させていただきます。
そして、 次は自然排卵周期での凍結胚盤胞移植をチャレンジすることはいか がでしょうか。
ERA検査は、着床不全の検査と位置付けられており、 適応は基本的には3回以上良好胚を戻しても陰性が続くときに考え ます。
もちろん、2回陰性で希望がありましたら行います。 ホルモン補充周期ではなかなか着床しない方で、 自然排卵周期での移植でうまく着床する方を経験します。 ERA検査の前に考慮してみてはどうかとは考えますが、 主治医の先生とよく相談されてみてくださいね。