基礎体温の高さと不妊の関係

基礎体温が高いと着床しにくかったり、流産の原因になる?

臼井医院 婦人科 リプロダクション外来 臼井 彰 先生 東邦大学医学部卒業。東邦大学大森病院で久保春海教授の体外受精グループにて研究・診察に従事。医局長を経て、1995 年より現在の東京・亀有にて産婦人科医院を開業。
相談者 : さやさん(36歳)不妊外来での不妊治療(タイミング療法)と、漢方治療(漢方薬局での処方)をしています。基礎体温が高く(低温期36.5 - 36.7℃程度)、高温期には37.1 から37.2℃まで上がることがあり、漢方薬局の薬剤師さんからは「基礎体温が高いと着床しない、流産の可能性もある」といわれ、まずは漢方で体を整えることをすすめられました。不妊外来の先生は「そのようなことはない」という見解で意見が分かれています。基礎体温の高さが不妊の原因になることはありますか?

さやさんの基礎体温は高めなのでしょうか。気にかける必要はありますか。

臼井先生●さやさんはもともと体温が高めなのかもしれないですね。体温は毎日いつも同じというわけではなく、室温が高いと上がったり、寒いと低めになってしまったり……。お酒を飲んだ後も変わるといわれています。
 どうしても多少の誤差は出てきてしまうので、基礎体温の計測は細かな数字に一喜一憂せず、だいたいの流れをつかむという感覚でいいと思いますね。体温が高めでもちゃんと2相性に分かれていれば問題はないと思います。

それでも基礎体温はつけたほうがいいのでしょうか。

臼井先生●基礎体温はコストパフォーマンスもいいし、つけていても無駄はないと思います。医療側としても、今の体の状態を知る情報の一つとなるので、初診時にデータがあると助かりますね。
 3カ月分くらいのデータがあると十分ですが、何カ月つけなければいけないという決まりはなく、思い立った時からつけ始めていただいても結構です。当院では「予約待ちの間につけておいてくださいね」と患者さんにお伝えしていますね。それだとちょうど1カ月くらいになりますから。
 毎月きちんと排卵があり、生理が28期くらいできている方は特に基礎体温をつけなくてもいいかなと思います。毎朝測ることにストレスを感じるようであればやめてもいいと思います。
 逆につけていただきたいのは排卵がうまくいっていない方。体温は排卵日前後で変化します。排卵したら高温期になる人がほとんどなので、このへんがあいまいな方はしばらく基礎体温をつけてみるといいかもしれません。ただし、通院されている場合は最終的に超音波で排卵の状態を確認します。基礎体温のデータがすべてではなく、参考にする程度と考えていただいていいでしょう。

基礎体温が高いと着床や妊娠の維持に悪影響が出ますか。

臼井先生●漢方薬局の薬剤師さんのおっしゃるような話を、僕は聞いたことがありません。妊娠までの流れが順調に進んでいるかどうかは、高温期に黄体ホルモンの値がちゃんと上がっているか、排卵の時に卵胞が消えているかどうかを確認するほうが確かですよね。流産についてはさらに意味が不明で、体温が高めだと卵子がゆだってしまうということですか(笑)
 いずれも医学的には不確かな話なので、心配することはないと思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。