高FSH 低AMHでの妊活について~浅田先生

子宮筋腫と低AMH…妊活中によく起こる不妊原因ではないでしょうか?

いっぺんに二つの原因に直面した治療希望さんのお悩みに、浅田先生がお答えくださります。

 

浅田 義正 先生名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。
治療希望(41歳)私は41歳1ヶ月の女性です。 右に8cmと左に6cm他にも何個か子宮筋腫があります。 先日、不妊治療のため病院に行ったところ生理4日目の血液検査でFSHが49.2 その後の検査でAMHが0.1のため採卵ができないと診断されました。 その病院ではお手伝いできることがないと言われたので転院先を探しています。 このような状況ですが妊娠を希望しているので治療していただける先生または病院はありますで しょうか?

FSHが49.2mIU/mℓ、AMHが0.4ng/mlということですが、ホルモンの側面から更年期の状態だと言えます。この更年期状態のまま卵子が育つことはありません。

卵子は卵巣の表面に保存されていますが、半年かけて成熟卵胞になります。

この半年の内の後半3ヶ月間に、ホルモン依存と言って卵子がホルモンの影響を受けて育ちます。治療希望さんの場合はFSHが49.2mIU/mℓと、基準よりも高く卵巣機能が低下していると予想するため、現状ですと卵胞が目に見えてちゃんと育たない(成熟卵胞まで育たない)と状態だと思います。

しかし閉経の平均年齢51歳でも、卵子は傷みながらも1,000個程度は残っているのではないかと言われています。治療希望さんは41歳なので、育ち始める卵子があれば、FSHやLHといったホルモンを調整することにより、成熟卵になる半年の後半3ヶ月をコントロールして成熟卵を育て、採卵をおこなうことができるかもしれません。採卵を行うことができ、受精卵ができれば年齢相当の妊娠率となります。

 

当院ではFSH、LHが上昇した人に対しては、FSH、LHをコントロールして卵胞の発育を待つという治療を行っています。治療希望さんが46~47歳であれば、治療はおすすめしませんが、41~43歳まではホルモンをコントロールすればチャンスはゼロではないと思いますし、そのような治療で結果が出た方、現在も治療をされている方は、何人もいらっしゃいます。

 

当院ではこのような治療を行っていますが、他の不妊治療施設や医師が同様の治療を行うことができるかは分かりません。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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