妊活中は、検査結果に一喜一憂してしまいがち…黄体ホルモンが若干低いという判定に、その後排卵誘発剤を服用すると、これまであった排卵がなかなか起こらなかったみたいです。心配な気持ちを浅田先生に聞いてきました!
セキソビットやクロミッド、レトロゾールを飲むのは妊娠率を上げるためです。
多くの論文で、内服によって確実に妊娠率が上がることが証明されています。
誤解していただきたくないのは、生理がきちんと来ているというのはホルモンの働きによるものであって、卵胞がきちんと育っていることとは別のことになります。卵胞自体は、排卵の約半年前から月経にかかわらず勝手に育っており、月経周期の時点でどれだけの大きさの卵胞が育っているかによって、月経から排卵するまでの日数に差が出てきます。また、前周期の黄体期の黄体ホルモンも、卵胞の成長に影響します。一番良い卵が選ばれて自然に育っていくというのは間違いで、そのようなことはありません。そのため、卵巣刺激によって確実に卵胞を育て、タイミングや人工授精に持っていくのが一般不妊治療で成績を上げる方法となります。ルトラールは、服用後もしばらく高温期が続くため誤解する方もいらっしゃいますが、これはルトラールがlong acting(長時間作用型)な黄体ホルモンだからです。各々の特性を理解したうえでいろいろな薬剤を上手に使用し、排卵・妊娠へ導くのがドクターの技量となります。
高度生殖医療(体外受精、顕微授精)の場合は、血液中のホルモンの値をモニターして最適な卵巣刺激を行うため、確実に卵胞を育てていくことができます。一方、一般不妊ではホルモンの血中濃度を測らないため、“結果的”に良かった、悪かったというレベルの治療にならざるを得ません。ただ、薬を飲むことで妊娠率が高まるというのは、不妊治療の世界では常識だと思ってください。
自然排卵の方が良いという方であれば、不妊治療の必要はありませんし、それで簡単に妊娠するのであれば薬を飲む必要もありません。それではうまくいかないという方に対し、不妊治療を行っていると認識していただければと思います。