片側だけの排卵と、卵管閉塞について

左側しか排卵しないが左側が卵管閉塞です。人工授精で妊娠可能?

 

佐藤 雄一 先生(高崎ARTクリニック)医学博士・産婦人科専門医・日本生殖医学会生殖医療専門医・日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。2018年、体づくりができるフィーカレディースクリニック(東京・日本橋)を開院。佐藤病院グループ代表。佐藤病院院長・高崎ARTクリニック・Fika Ladies’ Clinic理事長を務める。
相談者 : てんてんさん(39歳)卵管造影検査の結果、左側が卵管閉塞とのこと。検査は激痛をともないました。しかし、私の場合は左側からしか排卵していないようで、タイミング法・人工授精では良い結果は得られませんでした。卵胞も小さいとのことでクロミッドⓇを処方されましたが、効果はありません。そんななか、再び人工授精をすすめられたのですが、「また左からの排卵なのに意味があるの?」と疑問に。できればこのまま自然に近い形で授かりたいのですが、妊娠できる可能性はありますか?

卵管造影検査で激しい痛みを感じたのはなぜ? 卵管閉塞の原因は?

造影剤は通りにくいと圧がかかるため、閉塞していると痛みが生じることがあります。それでも液体なので、右側が通っていれば右にスムーズに流れるはず。激しい痛みがあったということは、右側も通りにくくなっている可能性が高いと思います。

卵管閉塞は、細菌によって炎症を起こしている場合が少なくなく、性感染症のクラミジア感染症なども原因の一つとなります。こういった場合、片方だけが炎症を起こす・閉塞するのではなく、左右ともにダメージを受けている可能性があります。

排卵する左側の卵管が閉塞していた場合、妊娠できる可能性は?

左右どちらの卵巣から排卵しているかは、エコー(超音波検査)で確認できます。思い違いをしている方も多いのですが、排卵は「今周期は右の卵巣から、次周期は左から」と規則的に交互にあるとは限らず、ランダムなのです。手に右利き・左利きがあるように、卵巣にも働きやすいほうがあるようです。片側ばかり使われるといったことは、卵巣に限らず一対の臓器では、よくあることです。働きが弱いほうを、強いほうがカバーするようにできているのです。

もしも左側からしか排卵していないとしても、左の卵管を通らずに右の卵管から取り込まれる場合もあり、妊娠の可能性はもちろんあります。今後もタイミング法や人工授精を続けるなら、クロミッドRなどの排卵誘発剤を用いて複数個の排卵を促す、右側からも排卵するように刺激すると妊娠の可能性が高まるでしょう。

「できれば自然に近い方法で」と望んでいらっしゃいます。

卵管閉塞が不妊の原因であるとわかっているのなら、タイミング法から人工授精にステップアップしてもあまり意味はなく、妊娠率にも大差はないと思われます。自然妊娠を望むのであれば、手術で卵管の通りをよくすることも可能ですが、費用も時間もかかってしまいます。39歳というご年齢からしても、早めに体外受精顕微授精をご検討されるのがベターではないでしょうか。

「自然に~」というお気持ちも理解できますが、受精する場所が体内か、体外かとの違いだけで、ご夫婦の卵子と精子から生まれた赤ちゃんであることに何ら変わりありません。「できるだけ早く」というのなら、ぜひご検討を。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。