子宮頸がん検診で「多囊胞ぎみ」と言われたことから気持ちも体も準備不足のまま、いきなり始まった妊活。結果が出ずいったん治療を休止しつつも体質改善に励み、再開後1カ月で妊娠したAさんのお話をご紹介します。
突然始まった治療に気持ちがついていかず
結婚式を終えたばかりのAさんが、軽い気持ちで子宮頸がん検診を受けたのは2017年5月。そこで「多囊胞性卵巣ぎみなので、子どもを望むなら婦人科を受診してみては?」と言われたそう。
「夫婦ともに32歳。まだ子どものことまで考えていなかったし、自分が妊娠しにくいなんて思ってもいませんでした」
それでも、いつかは子どもが欲しいと思っていたため、紹介されたクリニックに行き、子宮卵管造影などの検査を一通り受けたところ、「ひどい多囊胞性卵巣症候群ではないが、卵胞がいくつか映っていて、排卵はゆっくりめ。治療するなら少しでも早く始めたほうがいい」との診断が。排卵誘発剤クロミッドⓇとタイミング法を始めたものの、「その頃はまだピンと来ていなかったのと、夫婦ともに忙しく、なかなかタイミングが取れませんでした。言われるままにこなしているだけで、不妊治療というよりは、通水検査に通っているくらいの感覚でした」。
FT手術をきっかけに夫婦の気持ちがひとつに
半年しても結果が出なかったため、「右側だけ細い」と言われていた卵管をFT手術(卵管鏡下卵管形成術)することに。妊娠の確率が上がるなら、と手術を決めたAさんでしたが、実は自他ともに認める怖がり。
「静脈麻酔を使うと聞いただけで怯えてしまって。その様子を見た夫が『そこまで頑張ってるんだ』って驚いたほど。それまで夫はそれほど子どもが欲しいように見えなかったんです。でも、この時に『プレッシャーをかけるから、欲しいと言えなかった』と言ってくれて。それからは、より協力的になってくれました」
FT手術後の半年間は“ゴールデンタイム”と言われるほど妊娠しやすいと聞き、翌月に独立開業を控えていて超多忙だった夫は「チャンスを無駄にしないように」と人工授精を選択。しかし、6回実施しても授からず、11月にいったん終了しました。
「まさか自分が」の体外受精。心身ともに疲弊しきってしまい
次のステップとして体外受精を提案されたAさん。
「まさかそこまですることになるとは、私自身思っていませんでしたが、ここまで頑張ってきたのだから『やります』と。仕事を辞め、クリニックの体外受精教室で勉強。でも日程表を貰ったら急に怖くなって、泣きながら『やっぱりできません!』って」
負担に感じていた自己注射をクリニックで行うなど調整し、体外受精に臨むことに。2018年12月に採卵し、2月と3月にホルモン周期と自然周期で移植、4月には子宮内膜炎検査、子宮内フローラ検査などを受け、6月に3回目の移植をしました。ここでようやく妊娠したものの稽留流産し、8月に掻把手術。落ち込んでいると、看護師の友人から電話があり「ちょっと疲れてるんじゃない? 一回休憩してみたら?」との助言が。
「確かに、結婚式直後から治療を始め、夫が開業したり、義父が倒れたり、とても慌ただしいなかで、治療の日程を必死でこなしていました。先生から『卵子は残っているし、期間を空けても大丈夫』と言われ、しばらくお休みすることにしました」
小休止中に体質改善。再開後1カ月で妊娠!
その間を利用し、体質改善に取り組むことにしたAさん。すでに始めていた鍼灸や、クリニックですすめられたサプリに加え、妊活用の有酸素運動も開始。
「サプリは飲み忘れたり、切らしたりして、あまりきちんと服用できていなかったのですが、正確に服用するために、定期購入に切り替えました。毎月届くので飲み忘れがなくなりました」
10月には南の島に行きのんびりリラックス。近所のクリニックに転院し、12月にはタイミング法を再開。するとまさかの1回目で陽性反応が。
「年明けに胎囊を確認。その後の検診で心拍を確認した時、診察室で号泣してしまいました」
その後赤ちゃんは順調に育ち、現在8カ月に入りました。
「いろいろやった結果、妊娠するには、心身が健康であることが大事だったのかな、と思いました。高度治療の前に体の調子を整えること、妊活を始めた妹にもそう言ってサプリをすすめています」というAさん。怖がりだったのに、「通っている産婦人科では無痛分娩ができず、みんなに『無痛分娩じゃないの?』と驚かれますが、頑張ります!」と強い眼差しと笑顔で話してくれました。