空胞が多く、胚盤胞まで育たない

採卵しても空胞が多く、2度のIVFでも胚盤胞まで育ちません

内田 昭弘 先生(内田クリニック)島根医科大学医学部卒業。同大学の体外受精チームの一員として、1987年、島根県の体外受精による初の赤ちゃん誕生に携わる。1997年に内田クリニック開業。生殖医療中心の婦人科、奥様が副院長を務める内科、大阪より月1回来院の荒木先生による心理カウンセリングとサポート体制が充実している。
hachiさん(28歳)からの相談2度のIVFでも、胚盤胞まで育ちません。1度目はアンタゴニスト法で20個の卵胞が発育し、11個が空胞で9個の卵子に対してスプリット法を行いました。分割が進んだのは2個でしたが、桑実胚で分割停止。2回目ははロング法に切り替え、卵胞が10個発育し、空胞6個で4個の卵子がとれました。精液所見に問題がないためIVFを行いました。2個は受精せず、1個は新鮮胚移植で陰性、培養した1個は4分割で停止しました。排卵誘発法を変えたら胚盤胞までいけますか?

20個の卵胞のうち11個が空胞、空胞とはどのような状態のこと?

 

本来なら卵子が発育しているはずの卵胞に卵子が入っていないことを空胞といいます。ニワトリの卵でいうと、黄身がない状態です。20個の卵胞があったとすると、全部同じ大きさということはありません。成熟しすぎていたり、まだ育っていなかったりして大小の卵胞があるなかで、小さいものは卵胞の壁面から卵子が剥がれにくかったりします。ですから、卵子が採取できなかったものも含めて空胞という伝え方になっていると思います。

卵胞の中にある卵子の有無を知る方法はある?

 

超音波で見ると中身があってもなくても卵胞として見えるので、中にあるだろうということで針を刺して卵子を吸い取っています。血液検査のデータを見た時に、卵胞が20個あった場合、女性ホルモンのエストロゲン数値が3000~4000 ng / mlであれば中身があると考えます。それが500とか600ng / mlだったら中身のない袋が相当数あるかもしれません。女性ホルモンの数値が目安の一つになると思います。

hachiさんは、採卵数を増やして胚盤胞までいける?

 

排卵誘発剤の種類や量を変えたり、採卵日を1日ずらすことで違いが出ることがあります。採卵のタイミングには個人差があるとされていて、一般的な採卵のタイミングが95%ベストでも、5%は1日ずれているかもしれない。文献では、2時間ずれても違いが出てくると書いているものもあるので、採卵のタイミングを変えて採取した卵子が胚盤胞になるかもしれません。

また、卵子を卵胞からうまく剝がすためには必ず引き金になるもの、いわゆるトリガーが必要です。hachiさんはアンタゴニスト法とロング法で治療をしたということですが、ロング法はHCGを使用するので副作用が強く、それを軽くするために排卵誘発剤の量を減らしたとも考えられます。そのために卵胞から卵子を剝がれにくくしているのかもしれませんね。

今後、先生に3回目のプランを聞いてみてはどうでしょうか。今までと明らかに違いのある提案であれば、それをやってみるのも一つです。今までと大きな違いがなかったら、別の施設に相談してみるのもいいかもしれません。僕は、年齢と卵胞20個という数字に、まだ可能性を感じます。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。