血液循環が滞る「冷え性」は、不妊の原 因にもなりかねません。
でも、「体を温 める」だけでは改善しないことも。
根本 から治したいと思うなら、生活習慣その ものから見直す必要がありそうです。
改 善のポイントを、永井マザーズホスピタ ルの永井先生に伺いました。

ドクターアドバイス
生活習慣を見直して、“冷えない”体づくりを!
● 有酸素運度を取り入れ、筋肉をしっかりキープしよう。
● 快食、快眠、快便を心掛け、ストレスを溜めないこと。
● 体質に合った漢方薬は、冷え性改善に役立つ。
「体を温める」だけではダメ。 筋肉維持で基礎代謝を高めて!
西洋医学において「冷え性」は病気ではありません。しかし、血流が悪いと各細胞への栄養供給も滞り、生理不順や激しい生理痛などのトラブルの元となるのは確かなようです。まずは体を冷やさないことが大切です。
体が冷える原因の一つには、筋肉不足があります。エネルギーを消費するのは筋肉で、筋肉が少ないと基礎代謝量が低下し、体が温まりにくいのです。
そこで、当院では「パワープレートⓇ」、骨盤の血流を良くする室内温水プールでのアクアビクスを導入しました。パワープレートⓇは着替える必要もなく、乗るだけ。体の深部(コア)を振動させて筋肉を強化します。妊婦さんの運動不足改善にも大変有効で、 10 分程度の使用で体の芯から温まるのを感じられます。マシンに限らず、日常的にウォーキングなどを心掛けてください。
冷え性は運動だけでなく、食事や睡眠とも密接な関係にあります。栄養バランスの整った食事をしっかり取って便秘にならないよう注意し、適度な運動で筋肉を維持し、ぬるめの風呂に浸かって心地よい疲労感を得てぐっすり眠る。このサイクルが冷え性改善のポイントです。
ストレスも冷え性の原因に! 漢方薬も賢く利用しよう
食事の量を減らすダイエットでは、脂肪ではなく筋肉が落ちてしまいます。食物繊維不足で胃腸の動きが鈍ると、便秘の原因ともなりかねません。また上質なたんぱく質、発酵食品も毎日取ることをおすすめします。冷えは眠りを妨げ、またその逆に睡眠不足が続くと冷えを招きます。私の経験からしても、冷えに悩む方のほとんどに、睡眠障害や便秘があるように思います。
夜遅くまでパソコンやスマホの画 面を見ていると、寝つきが悪くなります。アミノ酸の一種であるテアニンを含む冷水出しの緑茶などにはリラックス効果があるので、就寝前のティータイムにもおすすめです。
そして、何よりストレスを溜めな いことが大事!
適量なら食べては いけないものなどありませんから、神経質になりすぎないこと。おいしく食べて、楽しいことを考えるようにしましょう。
また、手足の先は温かいのに、内 臓が冷えているというタイプの冷えもあります。このタイプは自分が冷え性であると自覚しにくいので、ちょっと危険です。内臓が冷えている方にはサプリメントや漢方薬がおすすめです。漢方薬は自分の体質に合ったものを処方してもらえば保険も利くし、効果も高い。賢く併用してもらいたいと思います。