遺伝カウンセリングで 流産や妊娠できない不安を解消。

不妊治療において、遺伝カウンセラーも患者さんの大事 なサポーター。

遺伝子疾患に関することだけでなく、流 産など一般的な疑問にも気軽にご相談にのっている、ファ ティリティクリニック東京のケースを紹介します。

診察のサポートとしての遺伝カウンセリング

晩婚化が進み、妊娠を望む方の年齢が高くなってきました。残念ながら、女性の年齢が上がってくると卵子の質の低下や受精卵の染色体の構造異常が増えてくるので、どうしても妊娠率が下がり、逆に流産率は高くなってきます。
 
外来の診察でもそのようなお話はしますが、「もし異常があった場合、次の段階としてどんな検査があるのか」「この年齢での染色体異常や流産の確率はどれくらいあるのか」など、その方の疑問に対してすべてご説明するお時間がもてないということがあります
 
医師や看護師が見て、不安が残っていたり、迷われているような方には診察のサポートとして、遺伝カウンセリングをおすすめして、納得できる形で治療を進めるようにしています。

小田原 靖 先生 東京慈恵会医科大学卒業、同大学院修了。 1987 年、オーストラリア・ロイヤルウイメンズホスピ タルに留学し、チーム医療などを学ぶ。東京慈恵会 医科大学産婦人科助手、スズキ病院科長を経て、 1996 年恵比寿に開院。

Q1.どのようなきっかけで 遺伝カウンセラーの 資格を取ったのですか?

私はもともと臨床検査技師で、染色体検 査の分析をしていました。その頃から遺伝 カウンセリングに興味があり、上司だった 医師から患者さんの遺伝相談のお話をよく 聞いていたんです。ただ当時は遺伝カウン セラーというシステムがなく、始まったの は2005年から。勉強を重ねて2008 年に資格を取得。直接患者さんと話をして、 もっと身近な形で遺伝に関する悩みのサ ポートをしたいと思いました。不妊治療を 含め、今、医療はゲノム(生物のもつ遺伝 子の全体)医療時代になってきているので、 遺伝情報を正しく伝えていくことが私たち の重要な役割だと思っています。

Q2.遺伝カウンセリングで 多い相談は?

遺伝カウンセリングと聞くと「特殊な病気 に関する相談をするところ」と思われる方も いるかもしれませんが、当院のように不妊 治療施設に設けている遺伝カウンセリング では実際は一般的な質問が多く、遺伝病な どについて相談される方はごくわずかです。
 
最も多いのが流産や「何回戻しても着床し ないのはなぜか」など不妊に関する漠然と した悩み。そのような方には「本当は赤ちゃ んが生まれることは奇跡に近く、流産は誰 にでもある」ということを理解してもらっ たり、年齢による流産率や妊娠率など正し い情報を提供するだけでも不安がかなり軽 減されるようです。

Q3.患者さんの相談に対して どんなアドバイスを 心がけていますか?

カウセリングではアドバイスはしません。 まず、患者さんがお話ししやすい環境を作り、 自分で話をしていくうちに、どこに不安や悩 みの元があるのか、気づいていただくように するんですね。
 
また「遺伝病が出る確率が高い場合、子ど もを産んだほうがいいか、産まないほうがい いか」など、選択に迷っていらっしゃる時も 私たちは「こうしたほうがいい」とは言いま せん。あくまでも結論を出すのはご夫婦です。 迷いがあれば一緒に話し合い、確率や受けら れる検査、診断についてなど、こちらがもっ ている情報を提供し、ご夫婦が一番いい選択 をできるようにお手伝いしていきます。

 

笠島道子さん 遺伝関連の相談じゃなくても大 丈夫! 身近な存在としてサポー トします。
モヤモヤしていたら一度相談に来て ください。ここから心理カウンセラー や看護師に橋渡しすることもあるの で、お悩みの第1窓口という形で気 軽に活用を!

 

 

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全記事、不妊治療専門医による医師監修

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