卵巣機能不全で 卵子の質も悪いとのこと。

妊娠の可能性はあるの?

さまこさん(34歳)からの相談 Q.いつもこちらで質問させていただいています。AMHは0.16未満(2014年12月 測定)、FSHは最高50代の値。タイミング1年半で、AIH6回、採卵8回、移植2回。 卵巣機能不全で、卵子の質もすこぶる悪そうです。希望がもてません。水が溜まっ たような卵ができたり、採卵しても空砲の部分があったり、変性卵もあります。卵 子の質が悪いと、手の施しようがないのでしょうか? こんなに悪い方はそういない とは思いますが、ご意見いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
石原 尚徳 先生 高知大学医学部卒業。神戸大学医学部大学院修了。医学博士。兵 庫県立成人病センター、兵庫県立こども病院の勤務を経て、2008年よ り久保みずきレディースクリニック菅原記念診療所。不妊治療から周産 期・小児医療まで、地域に根ざした総合的なサポート体制が整う同クリニッ クで、不妊治療/婦人科、産科の外来を担当する。最近、小学生の 娘さんのバレーボールの練習に付き合っている先生。娘さんからの容赦な いサーブやスパイクをブロックするのに突き指することもあるとか。「仕事に 支障が出るんじゃないかと、毎回ヒヤヒヤしています(笑)」

そもそも卵巣機能不全とは、どのような状態なのでしょうか。

また、卵子の質も含め、改善する方法はありますか?
石原先生 卵巣機能不全とは、もともと女性の体を維持している女性ホルモン(エストロゲンプロゲステロン)がバランスをくずした症状です。
これにより月経周期の乱れや排卵障害を引き起こします。
さまこさんは、AMHが 0 ・ 16 未満と測定 感度以下、FSHは最高 50 代の値とあり、 卵巣内の卵胞が枯渇する「早発卵巣不全」に近い状態だと思います。
年齢は若いですが、卵巣の中に残っている卵子が少ないという、この方の体質ともいえるので、卵子の質も含めた卵巣機能不全を改善するというよりは、今後の治療をどこまでするかだと思います。

先生であればどのような治療をされますか?

石原先生 さまこさんの場合は、先述のように、卵巣内に残っている卵子の数が少ない可能性があるので、GnRHアゴニストを使ったロング法、ショート法、アンタゴニスト法を行っても、採卵できる個数はほとんど変わりません。
そのため、担当医の方と同じように自然排卵周期、またはクロミッドⓇやアロマターゼ阻害剤を使ったマイルド法で採卵を行います。
卵子が1〜2個採れるかどうかわかりませんが、採れた卵子が受精卵まで成長すれば、それを移植する。
この方法を繰り返すしかないと思います。
34 歳と若いので、 うまく受精卵が育っていけばチャンスはあるでしょう。

先ほど、先生がおっしゃっていた「今後の治療をどこまでするか」とは、どのような意味でしょうか?

石原先生 先ほどお話しした一般的な治療がすべてではないということです。
たとえば、クリニックを変えて、卵子にとっての環境を変えてみることもひとつです。
実際にクリニックを変えたら妊娠したというケースは、当クリニックと他のクリニックの間でお互いにあります。
同じ刺激法でもタイミングの違い、卵子を培養する環境の違いなど、それぞれの先生が考える治療の微妙なタイミングの差によって、うまくいくこともあると思います。
また、早発閉経や卵巣摘出により排卵がむずかしい場合、体外受精を繰り返しても結果が出ない場合は、第三者から卵子の提供を受ける「卵子提供」という選択肢もあります。
いずれにしても、さまこさんの場合、卵子の残存量は少ない可能性がありますが、 34 歳と若いので採卵数は少なくても、 卵子の質はそれほど悪くない可能性があります。
卵子の質については、 34 歳と 10 年後の 44 歳ではまったく違います。
すで に2回移植をされている実績があるので、他のクリニックに変えて、卵子の環境を変えてみることで、妊娠に至る可能性もあると思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。