伸びるおりもの

みんなが知りたい!

検索上位 キーワードをドクター が解説 !

不妊に関して、みんなどんなことを知りたいと思っているのでしょうか。

Webジネコなどで多く検索されているキーワードをピックアップ!

テーマ別にドクターに詳しく解説していただきました。

 

宇津宮 隆史 先生 熊本大学医学部卒業。1988年九州大学生体防御医学研 究所講師、1989年大分県立病院がんセンター第二婦人科 部長を経て、1992 年セント・ルカ産婦人科開院。国内でい ち早く不妊治療に取り組んだパイオニアの一人。開院以来、 妊娠数は7,000件を超える。O型・おひつじ座。着床前診 断をテーマにした「セント・ルカセミナー」の反響の大きさを感 じた宇津宮先生。「患者さんや不妊治療を検討しているご夫 婦の注目度も高いだけに、さらなる議論の必要性を感じました。 年内に第2弾を開催したいですね」。

伸びるおりもの

伸びるおりものは 排卵のサイン?

脳の視床下部から脳下垂体、そして卵巣へ、卵子を発育させる指令を出す黄体形成ホルモン
LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の働きにより、卵胞ホルモン(エストロゲン)が増殖。

卵巣内で複数個の卵胞が育ちます。

そして、一番大きく育った卵胞から卵子が飛び出す。

これが「排卵」の仕組みです。腟の中は通常、雑菌が入らないように粘り気のある頸管粘液で守られていますが、卵胞が育ち、排卵を迎える頃には卵の白身のような半透明のやわらかい頸管粘液=おりものが分泌されます。

気づかない人や量が少ない人もいますが、特に敏感な人は気がつくことがあります。

月経後、1週間経った頃から増え始めるこの粘液がいわゆる「伸びるおりもの」で、排卵の目安の一つになります。

粘り気のある頸管粘液は、子宮に雑菌が入らないようにすると同時に、精子も通してくれません。

そのままだと、排卵して卵管に取り込まれた卵子はどんなに待っても精子と出会うことができませんよね。

ですから、卵管へと精子を導き、卵子と出会って受精させるためにも、やわらかく水っぽい粘液に変化する必要があるのです。

頸管粘液自体が精子に直接的にどう影響を与えているのかは現段階では証明されていませんが、粘液が変化するおかげで精子は卵管へと前進しやすくなり、受精能力を得るという現象が起きているのです。

着床時期 仲良し

着床時期の性交渉は 妊娠の妨げになるの?

このキーワードで検索すると「着床時期に性交渉をすると妊娠の妨げになる」という内容の記事が大半を占めています。

そのほとんどが、不妊治療中の患者さん同士による噂話程度のもののようですが、なかには「○○大学の研究チームによって証明された」など医学的な見地で語られているものまでさまざまです。

「医学的に」という記事では「着床時期周辺 の性交渉は自然妊娠率の低下に関連する」ため「着床時期周辺の性交渉は避けたほうがよいかもしれない」というものがあります。

しかし、私の経験上に限ってではありますが、当院でそのような印象を感じたことは皆無です。

精液が子宮や卵管に与える影響を言っているのだろうとは推測できますが、それが悪影響を及ぼしているとは聞いたことがありません。

一般的に、夫婦生活を週1、2回だと仮定すると、制限して回数を減らすことはむしろ妊娠する確率を下げることになるのではないでしょうか。

着床時期にして良いこと、悪いことなどを頭で気にしすぎてネガティブになるよりも、基礎体温をつける、健康的に生活して体調管理を心がけるなどの基本がきちんとできているかのほうが大切です。

ネットにはありとあらゆる情報が氾濫していますが、その一つひとつに振り回されず、もっと大らかな気持ちで夫婦生活を過ごしていただきたいですね。

低温期 妊娠

妊娠すると体温が上がる? 低温期に妊娠する可能性は

基礎体温はすべての不妊治療の基本となり、基礎体温表がなければ治療を進めることができません。

その一方で、体温というのは非常に騙されやすい側面もあります。

基礎体温が高温期になったからといって必 ずしも排卵しているとは限りません。

これは、排卵していないのに卵子の周囲を取り巻く顆粒膜細胞が黄体化し、基礎体温が高温相を示す未排卵性黄体化(LUF)で、見極めに注意が必要です。

反対に、生理が順調で、基礎体温表が二相性を示しているのに、低温期に子宮外妊娠をしていた、というケースも当院では 3 例経験しました。

生理が終わる頃から排卵前にかけて、基礎体温が低温相を示している時期は、卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌されています。

排卵して卵胞壁が黄色く変化すると黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が始まり、そのホルモンが体温中枢を刺激することによって基礎体温は高温相を示します。

大切なのは、本当にその体温の意味合いが正しいのかを判断し、その時期の体の様子を正確に把握すること。

グラフが視覚に訴える体温表と、ホルモン値を測定する血液検査を並行し、より確実な情報を得るように心がけてください。

何度も言いますが、正確な知識を身につけるためには、主治医や看護師の指導をきちんと受けること、ネットであれば信頼のおけるサイトを見極める努力をお願いしたいですね。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。本サイトの全ての記事は医師監修です。