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クロミッド Ⓡ 妊娠したら
クロミッドⓇはどういう時に 使われる薬ですか? その効果は?
クロミッドⓇは卵子の成熟を促す排卵誘発剤です。
自然の状態では脳の視床下部から下垂体に性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)が出て、それによってLH、FSHを分泌し卵巣に働きかけ、卵子が発育します。
卵子が成熟してくるとエストロゲンという卵胞ホルモンが出て、脳に「卵子が育っているからもうGnRHを出さなくていいよ」と信号を送ります。
一方クロミッドⓇはエストロゲンの信号を抑える働きがあり、血中のエストロゲンが増えていても増えていないと脳に錯覚させてGnRHを分泌させます。
そのため、LH、FSHを分泌し続けることになり、卵子をさらに育てるのです。
排卵誘発の飲み薬にはほかにセキソビットⓇやフェマーラⓇがありますが、クロミッドⓇはもっとも効果が高く、排卵しにくい人でも7~8割排卵するというデータがあり、ほとんどの場合、排卵誘発の第一選択薬になっています。
クロミッドⓇはタイミング法や人工授精、体外受精の採卵のためにも使用します。クロミッドⓇを使ってタイミングをとった場合の妊娠率は 15 ~ 20% といわれています。
健康な夫婦が 自然に妊娠する率が約 15 %なので、同じか少し上回るくらいの効果が期待できます。
クロミッド Ⓡ いつから
妊娠しているかどうか、 いつから反応が出ますか
クロミッドⓇを飲むと排卵障害のある方の7~8割が排卵するのに、妊娠率は 15 ~ 20 %。
妊娠率が上がらないのは何かクロミッドⓇのデメリットがあるのではないかと調べられ、子宮内膜が薄くなったり、頸管粘液が減少して精子が入りづらくなることがあるとわかっています。
それでも先ほどお話ししたように、一般の場合と同等以上の妊娠率の効果は期待できるわけですから、これらのリスクを考えても使うメリットはあると思います。
もしも子宮内膜が薄くなりすぎたらほかの薬に替えたり、頸管粘液が減った場合は人工授精に切り替えることがあります。
それから、脳に働きかける薬なので頭痛が出たり、目がかすんだりする人がいます。
飲み続けても重症化することはありませんが、つらいようならほかの薬に替えてもらったほうがいいかもしれません。
またクロミッドⓇがすごく効いて卵子がいく つも育つ方の場合、タイミングや人工授精では多胎妊娠のリスクも考えられます。
しかし、卵胞の発育状態は超音波で確認するはずなので、事前に医師からお話があり、その周期はキャンセルするかどうかという判断はできると思います。
このような副作用が出ることもありますが、 クロミッドⓇの効果は高く、世界中で使われている薬です。安心して使っていいと思います。