AMHが低いけれど、たくさん採卵したい。

AMHが低いけれど、 たくさん採卵したい。

低刺激でないとダメ?

松山 毅彦 先生 東海大学医学部卒業。小田原市立病院産婦人科医長、東海 大学付属大磯病院産婦人科勤務、永遠幸レディースクリニック 副院長を経て、1996年厚仁病院産婦人科を開設。日本生殖 医学会生殖医療専門医。松山先生の診療を求めてたくさんのプ レママが訪れる日々。先生も学会に出席する以外は診療を休ま ず忙しい毎日を送っているそう。そんな厚仁病院では、5月に新 病棟がオープンし、ますます忙しい日々が続いています。
ktkさん(32歳・会社員)からの相談 Q.AMHが0. 56ng/ml、卵巣や子宮には問題ありま せんでしたが、卵管内輸送テストで精子がまったく いないと言われ、その後、卵管内人工授精を3回ほ ど試し失敗。今周期から体外に進もうと考えていま す。先日、「ホルモンの値はいいけれど、AMHが 低いから採卵はできて2〜3個、セロフェンⓇの服 用と注射2回して低刺激でいこう」と言われました。 採卵数に関係なく高額な治療費を払うため、もう少 し刺激をすればたくさん採卵できるのでは、と考え ています。私のようなAMHの値の場合は低刺激法 しか選択肢はないのでしょうか?

卵巣機能によっては 低刺激のほうが効率的

卵巣刺激法にも刺激周期、低刺激周期などいろいろありますが、どの方法で行えば累積妊娠率が高まるかは、その人の卵巣機能によって違ってくると考えてもよいと思います。
費用対効果のバランスを考えると 1 回でたくさん採卵できる刺激周期がいいのではないかと考えたくなる気持ちもわかります。
しかし、 1 回でどれだけ採れるかをある程度予測することが可能なら、まず予測してから無理のない方法を選んだほうが得策ではないでしょうか。
AMHの値はおよその胞状卵胞数を予測するものともいえます。
したがってAMH値の高低は卵巣刺激法の選択に役立つとも考えられています。
ktkさんは、AMH値が低いために「採卵はできて 2 〜 3 個」と言われているそうですが、私が主治医だとしても同じように考えると思いますので、低刺激をおすすめすると思います。
強い刺激を与えても採卵数が増える可能性が低いうえ、卵巣への負担が大きいので次の周期の治療を休まなければならないことも多いからです。
しかし、低刺激法なら次の周期もチャレンジできることが多いです。
結果的に卵巣への負担が少ない方法で排卵誘発を行うほうが効率的なのではないでしょうか。
一方で、AMH値が高く卵巣の予備能力が高いと考えられる方は強めの刺激を与えたほうが採卵数も多く、結果的に移植のチャンスも増えるので、中・高刺激での方法を採用するほうがいいでしょう。
一番大切なのは、その人の卵巣の力を正確に把握すること。
それができれば、最短で妊娠まで進める可能性が高まるということです。
ですので、AMH測定を含めさまざまな検査を行って、結果として卵巣機能が落ちていると考えられる場合には低刺激法をすすめています。
当院では、ほとんどの方に低刺激での排卵誘発法を採用していますが、その一番の理由は、中・高刺激に比べて体への負担がかなり少なく済むことです。
仮にうまくいかなかったとしても次の周期も休まずにトライすることも可能だからです。
また、卵巣過剰刺激症候群の発生頻度が低いという利点もあります。
ktkさんの場合、卵巣への負担の少ない低刺激法をもう一度考えてみてもよいのではないかと思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。