出血が止まらなくても採卵は可能?

男性不妊と終わらない生理。

顕微授精を前に いろいろと心配です

 

あみさん(37歳)からの相談 Q.夫の精子数は500万/ml、運動精子は200万で顕微授精をすることになりまし た。私は、生理1日目からカウフマン療法でピルを服用していますが、いつもは5 日間くらいで終わる生理が、10日たっても終わりません。次の生理が来たら、排 卵誘発剤の注射をして採卵の予定ですが、出血が止まらないままでも採卵はで きるのでしょうか? 生理は28日周期で規則正しく、AMH値は32歳程度の値 と言われています。

精液所見と不妊治療

まずはじめに、男性不妊と不妊治療につ いて教えてください。
神谷先生  W HOの定義では精子の数が1ml あたり1500万未満なら乏精子症、運 動精子 40 %未満または前進運動精子 32 %未 満なら精子無力症です。
あみさんのご主人 の精子数は500万/ ml ですから、乏精子 症といえます。
一般的に「精子数×運動 率」が1000万以上であれば自然妊娠が 可能と考えられていますが、500万以上 1000万未満なら人工授精、500万未 満なら体外受精の適応範囲です。

スプリット法も

初回から顕微授精を行うことは、どう思 われますか?
神谷先生 体外受精では、精子を卵子にふ りかけて受精させるコンベンショナルI V F よりも、顕微鏡を使い1個の精子を直 接卵子細胞に入れる顕微授精のほうが受精 率は高く、当クリニックでの受精率はコン ベンショナルIV F は 65 %、顕微授精は75 %。
乏精子症の場合、早く妊娠へ導くた めにも初回から顕微授精を行うという選択 は正解だと思います。
経済的な負担を減ら すメリットもありますね。
以前は顕微授精を行うためには、コンベ ンショナルIV F で妊娠しない、運動精子 100万以下といった厳格な適応指針が あったのですが、最近は採卵した卵子を2 グループに分けてコンベンショナルIV F と顕微授精の両方を行うスプリットICSCを試みるケースが増えています。

誘発前周期のピル

あみさんには、ピルが処方されています が、どのような目的があるのでしょうか。

神谷先生 A M H(抗ミュラー管ホルモン) の値が高い症例は誘発前周期にピルを使 用することがあります。

卵胞が多く大小 不同で育つと、たくさん採卵できても体 外受精に使える卵子は少なかったりする ため、ピルでコントロールして粒の揃った大小不同の少ない卵胞から良質な卵子 に育てるわけです。

あみさんは 37 歳ですが、A M Hが 32 歳程 度の値ですから、ピルの服用は誘発前の前 処置のため処方されている可能性がありま す。

一度主治医にどういう目的で採卵前の ピルを使用しているのかを確認すると安心 でしょう。

子宮鏡検査の勧め

あみさんは、ピルの服用を始めてから生 理が終わらないことや、出血していても採 卵できるかを心配されています。
神谷先生 不足しているホルモンを補うカ ウフマン療法ですが、使用する黄体ホル モンと卵胞ホルモンの種類と量によって さまざまな反応が出ます。
ホルモン量の 少ない低用量ピルを使用することで、不 正出血が起こることもあります。
あみさ んの場合、 2 〜3日目に月経量が多く、 その後少なくなるという強弱のある状態 なら、生理後の不正出血が続いているの かもしれません。
それであれば、採卵に は影響ありませんから心配はないでしょ う。
ただし、出血の原因が子宮内膜ポリー プや子宮内膜増殖症であることも考えら れるので、子宮鏡検査をすることをおす すめします。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。