二人目不妊で 着床するけれど 育ちません

松本 由紀子 先生 2001年、浜松医科大学医学部を卒業。卒業後は岡山大学医学部産 科婦人科学教室に入局。その後、神戸掖済会病院、岡山済生会総合 病院、姫路赤十字病院で勤務。2007年より英ウィメンズクリニックへ。 2012年より不育症センター所長、統合医療部門部長、臨床遺伝専門部 長に就任。昨年3月より副院長を務める。O型・てんびん座。趣味は読書 と散歩。出産後はすぐに現場へ復帰。二女の母として子育てもしっかりこ なすママさんドクター。
りんりんごさん(42歳)からの投稿 Q.自然妊娠で2回流産(7、8週のけい留流産)、どちらも胎囊確認まです るのに育ちません。今回、体外受精顕微授精胚盤胞移植、5週まで育 つも6週にてhCGの数値が下がり、胎囊も小さく、何も確認できず、 数日後に生理が来るだろうと言われました。体外受精ならいけるだろう と思っていたのでショックです。やはり3回も同じ初期流産は、高齢によ る卵子の質の低下で、この先は何回やっても無理でしょうか?AMHも 0.5ng/mLと低く、自然周期のクリニックですが、年齢的にも金銭的にも 迷います。よきアドバイスをお願いします

年齢と流産

2度の初期流産の後、初めての体外受精で 3度目の流産を経験し、今後の治療について 迷っておられるようです。
松本先生 体外受精や顕微授精は妊娠しや すくするための治療であり、決して流産率 を下げるための治療法ではありません。
40 代ではたとえ妊娠ができたとしても、流産 される方の割合は 40 ~ 50 %にも上ります。
つまり流産はある程度覚悟しておかない といけないことだと思います。
ただ 40 代で 妊娠したという事実はすごく大きくて、今 後も体外受精や自然妊娠で妊娠される可能 性が十分あるということです。
流産するか もしれないけれど、半分の確率で出産でき る可能性もあると考え、チャレンジしてい ただいたほうがいいと思います。

高齢の初期流産は染色体異常?

高齢の初期流産の原因は、やはり高齢によ る卵子の老化が大きな原因なのですか?
松本先生 当院でも 40 代では2回連続して 流産される方が珍しくありません。
続けて 流産されると、次はもっと流産しやすくな ると心配されたりする方も多いのですが、 それは関係ありません。
あとはやはりご自 分のせいだと責めてしまう患者さんが多い ですね。
高齢の方の流産の原因のほとんどは、赤 ちゃんの染色体異常によるものです。
そこ はもう防ぐことはできなくて、自分ではど うしようもできない。
患者さんにはとにか く妊娠できるということはチャンスがある と思って治療に向かわれたほうがいいとお 話します。
とはいっても、ご自分を責める方もい らっしゃいます。
母親の心境として、赤ちゃ んのせいだとは思いたくないのでしょう。
当院では流産後、原因を確認するために絨 毛検査を行うケースがよくありますが、実 際に検査をすると、8割以上の方に赤ちゃ んの染色体異常が見つかります。
努力して流産の可能性を減らそうとか、自分のせい だったと思うとつらいですが、検査をする と「自分ではどうしようもないことなのだ とわかって楽になった」とおっしゃる方が 多いですね。

低AMHの誘発方法

現在、自然周期で採卵するクリニックで治 療を受けていらっしゃいますが、今後はどの ような治療方針となりますか?
松本先生 りんりんごさんはAMHの値が もともと低いようなので、おそらく卵巣 を刺激してもそれほどたくさん採卵でき ないのでしょう。
もし一度の採卵で1個 か2個しか卵子が採れないのなら、人工 授精やタイミング療法で妊娠する確率と、 1回の体外受精で成功する確率はそれほ ど変わりません。
体外受精にかかる費用はやはり高額で す。
「金銭的にも迷います」ということで すから、たとえば体外受精はあと2回、1 回と回数を決めて治療されてはいかがで しょうか。
体外受精で妊娠できなかった場 合は、人工授精やタイミング療法にステッ プダウンすればいいのです。
また妊娠でき る可能性は十分にあると思いますので治療 を続けてみてください。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。