体外受精をするべきか迷っています。

自然妊娠したものの流産。 40代でAMHも低ければ 体外受精に進むべき?

操 良 先生 岐阜大学医学部卒業。岐阜大学附属病院で8年間、不妊専門外来を担 当し、1992年には岐阜県下初の体外受精に成功。女性ホルモンに関す る研究成果が認められ、平成9年度に岐阜県医学研究奨励賞を、平成 11年度に日本内分泌学会で研究奨励賞を受賞。現在、操レディスホスピ タル副院長。医学博士。日本生殖医学会認定 生殖医療専門医。2014 年3月からは新館での診療がスタート予定。培養室の規模も大きくなり、診 察室も増え、「私もドキドキしながら完成を待っています(笑)」と先生
ダブルファッジさん(43歳)からの相談 Q. あと2カ月で44歳ですが、体外受精をしたほうがいいのか迷っています。ちょうど1年 前に自然妊娠(初妊娠)しました。妊娠を望んで結婚半年以内での妊娠でしたが、7週で 流産しました。その後、クリニックに通い検査したところ、卵管も通っており、内視鏡検査 も特に異常はありませんでした。AMH値は0.16未満で低いです。人工授精は4回し てだめでした。 40歳を超えての体外受精は妊娠率が少し上がるようですが、流産率も上がるそうで、 こういう場合、体外受精を試してみたほうがいいのか、それとももう1回授かるまでこの まま自然妊娠で頑張ったほうがいいのか迷っています。また、特に受精障害などない場 合、40代で体外受精をするメリットはありますか?

ステップアップのタイミング

先生はどのように思われますか?
操先生 自然妊娠したことがあるというのが、一つの引っ掛かりになっているのだと思いますが、それがなければ、完全に体外受精の適応だと思います。
まず、AMH0・ 16 未満というのはかなり低く、閉経年齢に近い数値です。
また、生殖医療のガイドラインでは5回くらいで次のステップに移るのがおよその目安だといわれていますし、人工授精も4回行っていれば9割くらいは妊娠率が出てくるはずです。
とはいえ、受精卵の培養環境としては体の中が一番いいという見解もありますから、年齢が高くなるにつれ、逆にステップダウンするという考え方もあります。
ただ、 40 歳を超えると、年刻みで妊娠率は 下がります。
たとえば、2011年の日本産科婦人科学会の体外受精のデータでは、 43 歳での総治療あたりの妊娠率は5・ 77 %ですが、44 歳では妊娠率3・ 66 %です。
要するに、1年で状況は大きく違ってくるということです。
また、流産手術をすることで内膜が薄くな って着床しづらくなったり、それをきっかけに感染症や癒着が起こったり、卵管が通っていてもピックアップ障害があったりと、そういう可能性もゼロではないかもしれません。
それから、一つ気になったのは、 40 歳を超 えての体外受精は妊娠率が上がると書かれていますが、これは自然妊娠の妊娠率に対して、という意味でしょうか。
40 歳を超えての自然妊娠の率はきちんとしたデータは出ていないと思いますし、妊娠率は年齢とともに下がるのが周知のことですから、ちょっとこの内容の真偽は疑問です。

体外受精のメリット

40 代で体外受精をするメリットは?
操先生 検査では、わかることとわからないことがあり、検査ではわからない目に見えない部分の障害をショートカットするのがステップアップ治療です。
そういった意味では、ある程度のステップアップで結果が出なければ、年齢にかかわらず、体外受精を行うメリットはあるのではないでしょうか。

漢方薬も併せて

今後はどうしたらいいでしょうか?
操先生 体外受精に抵抗がなければ、トライしてもいいのではないかと思います。
ただ、年齢的なこととAMHの数値を考えると、採卵法は低刺激、もしくは完全自然周期がベストではないかと思います。
また、精神的にストレスがかかってもいけ ないので、体外受精で続けて治療するというよりは、間に自然のタイミング法を挟んで、無理のないように進めてもいいと思います。
さらに、より自然に近い形で、ということ でしたら、ホルモンの流れや血流を良くするという意味で漢方薬を併用するのも一つの方法です。
流産予防をターゲットとして排卵後もしくは胚移植後に漢方薬を使うこともできます。
そういったことも取り入れながら、環境を変えるような気持ちで緩やかに体外受精に進むのがいいのではないでしょうか。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。