クラミジアに感染?卵管が炎症を起こしていると言われました

小田原 靖 先生 東京慈恵会医科大学卒業、同大学院修了。1987年、オー ストラリア・ロイヤルウイメンズホスピタルに留学し、チーム 医療などを学ぶ。東京慈恵会医科大学産婦人科助手、スズ キ病院科長を経て、1996 年恵比寿に開院。AB 型・みず がめ座。情報が氾濫しているがゆえに、混乱している患者さ んが多いと危惧する小田原先生。その責任は医療側にもあ るので、今以上に患者さんの話を聞いていくことを心掛けた いと切に考えている。
なおさん(30歳)からの投稿 Q.教えてください。今日、「卵管が炎症を起こしていて機能しなくなっている」と先生 に言われました。考えられる原因は「クラミジアか、ほかの感染症での癒着」との こと。私は過去にクラミジアの治療を受けた覚えはありません。感染しているとし たら、まだ感染したままということなのでしょうか。病院でそのことを聞けばよかっ たのですが、気が動転して聞きそびれて帰ってきてしまいました。私は大丈夫なの でしょうか……。

クラミジア抗体検査

なおさんは3カ月前に子宮卵管造影検査をして卵管の異常が判明したようですが、やはりクラミジア感染などによるものでしょうか。
小田原先生 なおさんは、クラミジア抗体検査はされているのでしょうか。
一般的に、不妊治療をする前にスクリーニング検査の1つとして、採血による検査でクラミジアの抗体を調べます。
「 IgA」と「 IgG」という2つの抗体のバランスをみることで、直近の感染なのか、過去に感染してすでに治っているのかなどがわかります。
検査の順序として、子宮卵管造影はその後になりますね。
この検査はあくまでも卵管の通りや太さを調べるもので、何が原因で炎症を起こしているかはわかりません。
担当の先生はおそらくその状態から、感染による炎症が原因だと推測されたのではないでしょうか。

無自覚に卵管を傷める

ご本人はクラミジアに感染した覚えはないということですが……。
小田原先生 クラミジア感染症は、当初はおりものが少し増える程度で、強い自覚症状が出ることが少ないんです。
ですから仮に過去に感染したとしても、その時は気付かないまま済んでしまうケースもあります。
しかし、自覚症状がなくても卵管まで菌が入ってしまうと、閉塞などの異常が起こることがあります。
放っておくと妊娠にも悪影響が出てしまうのですか。
小田原先生 妊娠において卵管は、卵子を運ぶ役割を果たします。
卵管の内側の細胞が卵子を徐々にやさしく運んでいく動きをするんですね。
クラミジアによる炎症はその大切な卵管の内膜にダメージを与えてしまいます。
癒着したり水腫などができて、通りが悪くなってしまうんです。

処置?体外受精?

早くお子さんを望む場合、どう治療していけばいいでしょうか。
小田原先生 もしクラミジアによって卵管がひどく炎症を起こしているのであれば、元の状態に戻すことは困難なので、体外受精という選択肢が提案される場合もあると思います。
しかし炎症の程度によっては、それ以外の治療で卵管の機能回復をはかれる場合もあります。
たとえば、腹腔鏡や卵管鏡などの手術による治療法もあります。
なおさんのご年齢を考えれば、それらを試してみてから体外受精を考えるという選択でもいいかもしれません。
ご自分の卵管が大丈夫なのかと不安になられているようですが、治療をすれば妊娠の可能性は十分ありますので、安心して治療をしていってください。

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