FSH値が13.58 先生に更年期ですね」と言われてショックです

FSH値が高い場合、どうすればいい? 判断と治療について、 吉田レディースクリニックの吉田先生に伺いました。

吉田 仁秋 先生  獨協医科大学卒業。東北大学医学部産婦人科学教室入 局、不妊・体外受精チーム研究室へ。米国マイアミ大学 留学後、竹田総合病院産婦人科部長、東北公済病院医 長を経て、吉田レディースクリニック開設。同院のスタッ フは、皆さんにこやかな方ばかり。いつも優しい笑顔で 患者さんを温かく迎えています。今回は先生と一緒の撮 影にもご協力いただきました。
カルピスさん(専業主婦・37歳)からの投稿 Q.不妊治療1年目で、専門病院に転院したばかりです。ホルモン検査で初め てFSH値:13.58と高く出て、「更年期だね~」と先生に言われました。ほ かのホルモンの値は正常です。そこで、卵巣年齢を調べる検査をすすめら れ、1週間後に結果が出ます。晩婚だったのと「子宮筋腫の治療を優先し てから本格的な不妊治療を」と思い、地元の産婦人科でタイミングをとっ ていたのですが、この数値を今指摘されたことがショックで……。37 歳で 閉経してしまったら、と思うと恐怖です。私と同じような数値で妊娠された 方がいたら、体外受精に進まれたのかなど、治療内容を教えてください。

FSHについて

まず、FSHとはどのようなホルモンなのでしょうか?
吉田先生 FSHとは、卵胞刺激ホルモンのことで、脳下垂体の前葉から分泌される性腺刺激ホルモンの一種です。
脳から命令を出して卵巣を刺激し、卵胞を成熟させる働きをするのですが、加齢などにより卵巣から出るホルモンが減少すると、脳がもっと刺激をさせようとしてFSHが上昇してしまうんですね。
13 ・ 58 という値はやはり高い数値といえるのでしょうか。
吉田先生 個人差があるので断定的なことは言えませんが、カルピスさんの年代なら通常は8くらいでしょうか。
10 以上というのはやはり高めの数値だと思います。

卵巣機能は総合的に判断

担当の先生がおっしゃったように、もう更年期ということですか。
吉田先生 FSHの値だけでなく、LH(黄体化ホルモン)の値をみることも重要だと思います。
FSHが10 以上、LHも 10 以上と、両方高い場合は、卵巣の反応が悪く、確かに更年期に近づいている状態だと思います。
しかし、カルピスさんはFSH以外のホルモンの値は正常ということですから、更年期とは断定できないのではないでしょうか。
FSHだけでは卵巣の機能を判断できないということですね。
吉田先生 もちろん目安の1つとなりますが、FSHだけを取り出して正確な判断はできません。
ほかにLH、E2(エストラジオール)、胞状卵胞の数など、総合的にみていくことが大切だと思います。
またFSHは、その時のコンディションによって数値が変わることがありますから、1回の検査だけでなく、定期的に調べていくことが必要です。

AMH検査について

カルピスさんはAMHの検査も受けられたようですが……。
吉田先生 AMH(抗ミュラー管ホルモン)の値も卵巣年齢を見極める指標の1つです。
当院では、不妊治療を受ける患者さん全員にAMHの検査を受けていただいています。
カルピスさんの結果はまだ出ていないようですが、もし 10 以下の数値だった場合は、卵巣の反応がかなり悪くなっていると考えられます。

FSHが高い場合の治療法

FSH値が高い場合、どのような治療をしていったらいいですか?
吉田先生 ピルを使って月経周期をリセットする治療を行います。
FSHを下げる時は低用量のピルでは効かない場合もあるので、通常は中用量のプラノバールⓇや、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤を使用します。
FSHが正常な値に下がってきたら、次の周期に排卵を起こさせるように誘発を行っていきます。
カルピスさんの場合は、まずAMHの値をみてみることが必要ですね。
それによって体外受精か人工授精か、どの程度治療のスピードを上げたほうがいいのか、誘発はどのような方法を選んだらいいのかなど、今後の治療方針が決まってくると思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。