子宮頸がん、こんな時 どうすればいい?

信頼できる主治医の先生に 自分の症状を きちんと伝えて

子宮頸がんの診断を受けたものの、医師の対応に不安が募り、 自分で病院を探すことに……。こんな時、どうしたらいいの? 相模野病院婦人科腫瘍センターの上坊先生にお聞きしました。

ぽち・フリーター・32歳 Q. 今秋、なにげなく子宮がん検診を受けてひっかかり、その後の組織診で中~高度異形成と診断されました。 手術対象になるので、大きい病院に移るように言われ、すごく不安……。私のかかった先生はすごく忙しく、あ まり説明もしてくれず、細胞診、組織診と、どんどん結果が悪くなっていって私が動揺している時も終始無感情で、 精神的にきつかったです。  組織診は痛くないと聞いてましたが、内臓の一部を引きちぎられるような痛みでした……。何も注意を受けず、 組織診の直後に自転車で帰宅。あとでインターネットで調べて、他の病院では組織を取った後は出血が止まるま で休ませてくれたり、1週間は自転車に乗らないように言われることもあると知りました。私は出血が6日間続き、 痛みは1ヶ月続き、3週間目頃に激痛が襲ってきて、街なかで気が遠くなりました。  その先生に他の病院を紹介されましたが、手術で場合によってはもっと深く体の中を切ることになるかもと思 うと、このような先生はものすごく不安です。自分で主治医を探そうと思っていますが、皆さんはどうやって主治 医を見つけられましたか? まだ出産をしたことがないので、LEEPや蒸散法を行っている病院を探したいです。
ぽちさんは組織診の時、とても痛かったようですが、通常、このように痛いのですか?
上坊先生 「内臓の一部を引きちぎられるような痛み」、こんなに痛いというとは聞いたことがありませんね。
ましてや、組織診の後、ひと月も痛みが続くなんてことは考えられないと思います。
何か他の原因があるのではないかと思いますが、実際に症状が出ているご本人を診ないと、わからないです。
痛みの感覚には大きな個人差があるし、組織検査では確かにチクッとした痛みや不快感はあるでしょう。
ただ、採取するのが舌の組織なら人間は失神しますが、子宮頸部はもともと感覚が鈍い場所ですから……。
組織診の後、多少の出血があることはやむを得ません。
時には出血が多く、縫合が必要になるケースもあります。
ただ少量の出血が「6日間続く」ということ自体は特に異常ではありません。
「痛みが1ヶ月続き、3週間目頃に激痛が襲って街なかで気が遠くなった」とありますが、通常、こんな痛みがひと月も続くのでしょうか?
上坊先生 組織診が原因なら続かないと思いますよ。
ぽちさんは、組織診をした医師に、そのことを伝えたのかしら?
ぽちさんの投稿からみると、診察した「さっさと患者をさばきたい感じ」の医師に、痛みを伝えることができる雰囲気ではなかったようです。
上坊先生 一つ言えることは、組織診をした医師には、患者さんを診察した責任があります。
予想以上に痛かったり、何か心配な場合、症状が出ているうちに組織診をした医師に診てもらうのは当然で、躊躇している場合ではありません。
こういう場合、診察を受けた翌日でもいいから、まず病院に電話して、受付の人に冷静に「昨日、組織診を受けて、今日になっても痛みがひどいのですが」と話し、できればその医師の診察を予約します。
医師は手術などで診察が不可能な場合もあります。
その場合は同じ病院の他の医師の診察を受けてもいいですし、「では他の病院に行きます」くらいのことは言っていいのですよ。
次の医師の病院でまた同じことがあったら……と心配なのでしょうね。
上坊先生 まず、紹介してもらった大きい病院の医師の方を受診してみたらどうでしょうか?
最初の医師とは別人だから、次の医師とは相性がいいかもしれないし、もしその医師とも合わなかったら「お話はわかりました。
でも、セカンドオピニオンを聞きたいので」と言って、その医師に別の病院の医師を紹介してもらえばいいんです。
医師は他の医師、病院を紹介する場合、技術レベルで判断して紹介します。
どうしても希望があれば「 優しい先生」とか注文してもいいでしょうが、顔や態度と医師としての技量は関係ないことも事実です。
そういう意味では、自分でインターネットなどで探すより、医師の紹介のほうが確かなことが多いと思います。
ネットで評判のいい医師がぽちさんにとって相性のいい医師とは限りません。
診察してもらった医師と相性が悪いから別の医師を紹介してもらうなんてことを、患者さんがしてもいいのですか?
上坊先生 異形成と診断が出ているなら一刻を争う事態ではないから、今はぽちさんにとって信頼できる主治医を見つけるチャンスだと思いますよ。
患者さんと医師だって人間関係の一つですから、気の合わない同士はお互いに不幸。
確かに、治療で付き合いが長くなるうちに、お互いにわかり合えて関係がよくなることもありますが、今が問題であれば、無理に人間関係でのストレスを我慢する必要はないでしょう。
ぽちさんは、LEEPや蒸散法を希望していらっしゃいますね。
上坊先生 LEEP円錐切除や蒸散法が保険適用になって、最近は実施する医療機関が増えました。
病院のホームページや雑誌などで手術件数が多い所を確認するのも、一つの方法ですね。
料金は病院に聞いてください。
なお、LEEPは日帰り手術と、1〜2泊の入院で手術するタイプとがあって、ぽちさんなら入院のほうがいいと思います。
これなら手術の翌日に、出血や子宮の状態を病院で確認してくれるから、異常がないことが確認できて、安心して退院できるでしょう?
最後にぽちさんにアドバイスをお願いします。
上坊先生 大事なぽちさんの体です。
早く診察に行ってくださいね。
このケースは医師が説明不足だったのでしょうが、患者さんがとても気になっていることでも、質問しなければ医師には通じません。
その結果、医師に聞き損ねるケースは結構多いですよね。
そういう場合は診察の時に、これまでの経過を書いたメモを用意して持っていくといいんですよ。
そのメモを見ながら「ぽちさんはこういう検査を受けたらこうなって、それに対してぽちさんがどう対応したか、この他にも具合が悪くなった検査があるか」という経過を、簡潔に要領よく話すと、ぽちさんの状況が次の医師によく伝わります。
メモを見ながら話すのは医師に失礼だ、なんて思うことはありません。
社団法人全国社会保険連合会 社会保険 相模野病院 婦人科腫瘍センター長 上坊(じょうぼう) 敏子 先生 1973年名古屋大学医学部卒業。社会 保険相模野病院婦人科腫瘍センター 長、北里大学医学部産婦人科客員教 授。専門は婦人科腫瘍学。子宮頸がん、 子宮体がん、卵巣がんに代表される婦 人科がんの診断と治療に明け暮れる毎 日をおくっている。著書に『知っておき たい子宮の病気』(新星出版社) 、 『女 医さんシリーズ 子宮がん』(主婦の友 社)などがある。

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