【体験談】常に”ベスト”な選択を! 精いっぱい前へと歩み続けています。

 

20代で始まった不妊治療が教えてくれたこと
常に”ベスト”な選択を! 精いっぱい前へと歩み続けています。

「生理痛は当たり前じゃない」。信頼できる医師との出会いをきっかけに、20代で始まった不妊治療。
不安や葛藤を乗り越えながら、そのときどきの"最善策"を選び続ける二人の"今"を伺いました。

「最善策を取ろう」その一言から始まった

「最初は、私の一目惚れでした」と笑いながら話してくれたずーちゃんさん(29歳)。大学1年時の講義で出会ったぴさん(28歳)に何度も食事に誘うなど積極的にアプローチし、約8年の交際を経て26歳で結婚しました。
「そろそろ子どもが欲しい」と考え始めたものの、中学生の頃から悩まされていた重い生理痛やPMSという不安要素。でも、複数の婦人科を受診しても返ってくる言葉は常に同じでした。「生理痛は当たり前」「みんな我慢している」「痛みに弱いだけじゃない?」。諦めて我慢しているうちに、症状は悪化していきました。
転機となったのは2024年。「生理痛は当たり前じゃないと発信している先生に診てもらったほうがいい」と、産婦人科医を目指す友人が紹介してくれた婦人科でした。
「先生が初めて否定せずに話を聞いてくれたんです。『これは当たり前じゃないから、ちゃんと治療していこうね』と言ってくれて、本当に救われました」
検査の結果、子宮内膜症(チョコレート嚢胞)が判明。さらに「自然妊娠は難しい可能性があるため、早めに不妊治療専門クリニックへ」とすすめられます。
「子どもは欲しいけれど、まだ彼女ほどの思いはなかった」と語るぴさん。それでも「最善策を取ろう」と治療を受ける決断に迷いはありませんでした。
その背景には、“問題解決型”の彼らしい考え方があります。大学時代から生理痛のつらさをすぐそばで見てきたものの、男子校育ちだったこともあり、生理や女性ホルモンについての知識はほぼゼロ。そこで、自ら動画やサイトで仕組みを徹底的に調べたそうです。
「私は感情で寄り添うのがあまり得意ではないんです。でも、仕組みを理解すれば彼女がどれだけつらいのかわかる。だから知識で支えようと思いました」

突然告げられた現実と仕事との両立に悩んだ日々

専門クリニックで受けた検査結果は、二人にとって想像以上に厳しいものでした。ずーちゃんさんは20代としては極めて低いAMH値を示し、ぴさんも精子運動率が低い状態。医師から「タイミング療法や人工授精では難しい可能性が高い」と告げられ、顕微授精から治療を始めることになりました。
「説明を聞きながら頭が真っ白になって……。彼が一緒にいなかったら泣いていたかもしれません」
当たり前のように子どもは授かるものだと思っていたのに、「どうして?」という気持ち。さらに、治療が始まると、薬の副作用との闘いが始まります。吐き気や感情の浮き沈みに加え、採卵や移植を重ねても結果は出ず、仕事ではキャリアアップの時期とも重なって、ストレスは限界に。
「仕事と治療を両立している方を本当に尊敬しています。でも、副作用は努力ではどうにもならない部分があります。休んだほうがいい人もいれば、働いているほうが気持ちが保てる人もいる。本当に、人それぞれだと思いました」
休職を決意し、知人にすすめられたクリニックへ転院。新たな検査で甲状腺機能の異常やビタミンD不足が判明し、「子どもは2人欲しい」という将来像に合わせた治療方針へと変わりました。
「病院によって、こんなに診てもらえることや考え方が違うんだと驚きました。通院時間は長くなりましたが、それ以上の価値があると信じています」

家出に発展した喧嘩も思いやりのきっかけに

治療が思うように進まず、心に余裕がなくなっていた頃、一度だけ家出するほどの大喧嘩をしたこともありました。疲れや不安が積み重なり、ずーちゃんさんは感情を抑えきれず、普段は穏やかなぴさんも「その日は自分も我慢できなかった」と振り返ります。「彼が怒ったのを初めて見て……。怖くて、そのまま荷物をまとめて家を飛び出してしまいました」
すぐに仲直りしましたが、後日、お互いが別々にAIへ相談していたことがわかったそうです。
「夫婦でも考え方は違います。でも、『こういう気持ちだったんじゃないかな』と第三者の視点で整理してもらえると、『なるほど』と納得できることがありました」と、ぴさん。少し距離を置いたことで冷静になり、ずーちゃんさんも「感情をコントロールすることとお互いを思いやる大切さを改めて感じました」と語ります。

男性も"治療の当事者"焦らず、確実に、最善を選択

精子運動率が低く、「不妊は女性だけの問題ではない」と実感したぴさん。転院を機に食事や睡眠など生活習慣を見直し、サプリメントを取り入れ、下着の種類まで改善した結果、WHO基準を上回る数値まで改善したといいます。
「原因不明と言われても、できることはあります。少しずつでも健康を意識することで変わる可能性はあるので、男性も当事者として向き合ってほしいです」
治療経験をSNSで発信し、同年代にも同じように治療をがんばっている人がいること、一人ひとりに合ったさまざまな選択肢があることを知り、「本当に励まされています」とずーちゃんさんも語ります。
最後に、今まさに治療に向き合う読者の皆さんへのメッセージをお二人にお願いしました。
「休職する、働き続ける、人に話す、話さない……どれが正解ということはないと思います。自分たちに合った治療の形を見つけてほしいです」とずーちゃんさん。
「焦ったり、悩むことはあっても、積み重ねたことは決して無駄にはならないと思います」とぴさん。
「子ども2人の4人家族」という将来像を思い描きながら、会話を大切にし、そのときどきの“最善策”を選び続ける二人。現在は目標の貯卵数を達成し、次の移植に向けて心身の調子を整えています。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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