にゃおこさん(42歳)
半年前から妊活を始め、42歳のため最初から体外受精をしています。
保険で新鮮胚移植と凍結胚移植(どちらも4AA)をしましたが、hCG値6で妊娠に至らず。
最後の保険移植を前に転院を考えていますが、凍結胚があと2個あるため、それを今の病院で終えてから転院したほうがいいのか、それとも1周期でも早く転院して自費での採卵や移植をしたほうがいいのか、迷っています。
卵の数は多くは取れないもののグレードは高い胚がとれています。
数が少ない場合はPGT-Aで染色体を調べるより移植回数なのでしょうか?
両角レディースクリニックの両角和人先生にお伺いしました。
【医師監修】両角レディースクリニック 両角 和人 先生
福島県立医科大学医学部卒業。ハワイ大学医学部生殖生物学研究所留学、福島県立医科大学産婦人科学講座助教、国際医療福祉大学大学院講師などを経て、2012年に両角レディースクリニック院長に就任。患者さんやスタッフなど「ご縁のある方を幸せにする」というのが信条。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
42歳でAMH1.095、採卵4回で良好胚(4AA)が得られているとのことですので、卵子が全く得られない状況ではなく、まだ十分に妊娠の可能性は残されていると思います。
一方で、42歳では胚の見た目が良好であっても染色体異常を有する割合が高くなるため、良好胚を移植しても妊娠に至らないことは珍しくありません。
一般論としては、現在凍結されている胚を移植しながら今後の方針を検討することになりますが、不妊治療は年齢やAMHだけでは判断できません。採卵時のホルモン値、超音波所見、培養経過、移植条件、慢性子宮内膜炎の詳細、精液所見など、多くの情報を総合的に評価する必要があります。

また、現時点では「転院するべきかどうか」だけではなく、治療戦略そのものを見直す余地もあるように感じます。例えば、原因不明不妊や反復不成功の背景に子宮内膜症が隠れていることもあり、症例によっては腹腔鏡手術が有効となる場合があります。また、すべての症例で胚盤胞培養が最善とは限らず、患者さんによっては初期胚移植が有効となることもあります。
さらに42歳という年齢を考えると、移植を進める一方で、将来の治療機会を確保するために凍結胚を蓄積しておくという考え方も重要です。
PGT-Aについても有効な場面はありますが、胚数が限られている場合には移植機会そのものを減らしてしまう可能性があるため慎重な判断が必要です。