【Q&A】タイミング法の限界?次の一手は?~向田先生【医師監修】

ゆなさん(35歳)

先日、経膣エコーで、卵胞30ミリなのに排卵しておらず、その週末に再度受診したら排卵してましたが、その時のプロゲステロン数値が24.6(排卵から四日目)でした。ですが、高温期10日未満で生理が始まり、いつもは高温期14日は続くので、不安になりました。
現在タイミング法をしてますが中々授かれず、実際タイミングとれてるのは、全部で8ヶ月あるかないかです。
子宮鏡が必要なのか、受けたほうがいい検査などあれば、助言を頂けると幸いです。

広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。

【医師監修】広ク  向田 哲 先生
高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

卵管造影検査で右卵管閉塞が疑われているとのことですが、仮に左卵管の通過性が保たれていたとしても、妊娠率を考慮するとタイミング法のみでは妊娠までに時間を要する可能性があります。
人工授精(IUI)へステップアップした場合、一般的にはタイミング法より妊娠率は上昇するとされていますが、片側卵管閉塞がある場合には、その効果は限定的となる可能性があります。
また、35歳という年齢を考慮すると、卵子の質の低下が徐々に始まる時期にあたるため、年齢因子による妊娠率の低下も考慮する必要があります。
まずは保険診療で実施可能なAMH(抗ミュラー管ホルモン)を測定し、卵巣予備能を評価することが重要です。AMH値が低下している場合には、時間的猶予が限られる可能性があるため、より妊娠率の高い治療への早期移行を検討することが望ましいと考えられます。
卵管因子が疑われることを踏まえると、体外受精(IVF)は妊娠に向けた有効な選択肢となります。IVFでは卵管を介さずに受精卵を子宮内へ移植できるため、卵管因子を回避できます。

35歳以上では、妊娠後に出生前診断(染色体異常の検査)について説明を受ける機会が多くなります。妊娠後に胎児染色体異常が判明した場合には、妊娠継続についての判断が必要になることがあります。そのため、体外受精を行う場合には、受精卵の段階で染色体検査を行う選択肢(PGT-A:着床前胚染色体異数性検査)についても説明を受けることが可能です。
ただし、PGT-Aは日本では先進医療に位置づけられており、自費診療となります。保険診療との併用はできないため、全体が自費診療となり費用負担は大きくなります。一方で、妊娠後に行う出生前診断(NIPTなど)にも一定の費用がかかりますので、費用面も含めた十分な検討が必要です。
排卵後の黄体ホルモン値自体は基準範囲内とのことですが、高温期が短い場合には黄体機能不全の可能性も考えられます。その場合には黄体ホルモン補充療法で対応可能です。また、排卵誘発剤を用いてより良好な卵胞発育を促すことで、結果的に黄体機能の改善が期待できることもあります。
これまでに着床に至っていないことを踏まえると、子宮鏡検査を行い、慢性子宮内膜炎、子宮内膜ポリープ、粘膜下筋腫など、着床に影響を与える可能性のある子宮内病変を確認しておくことも重要と考えられます。
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