【Q&A】卵管水腫は切除すべき?~福田雄介先生【医師監修】

やみさん (32歳)

卵管切除を勧められていますが、できれば切除したくないです。
切除しないと妊娠率が下がると言われましたが本当でしょうか。

福田ウイメンズクリニックの福田先生に聞いてみました。

【医師監修】福田ウイメンズクリニック 福田 雄介 先生
東邦大学医学部卒業、東邦大学医学部大学院修了。医学博士(東邦大学 平成22年)。米国ペンシルベニア大学生物学教室留学、東邦大学医学部産婦人科学教室講師などを経て、福田ウイメンズクリニックの院長に就任。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医・指導医。日本生殖医学会認定生殖医療専門医。日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

やみさんは卵管造影検査の結果、卵管水腫を指摘され卵管切除を勧められていると思います。卵管留水種があった場合、切除しないと妊娠率が下がる理由として卵管に溜まった水が子宮内に流れてきて着床を妨げるとされているからです。ただ、子宮と卵管の通過性がない場合は卵管に溜まった水が流れてこないため影響はないと考えます。卵管留水腫がどの様な状況かは子宮卵管造影検査から評価されていると思います。

卵管留水腫を治療する方法として卵管切除以外には卵管開口術があります。卵管采(お腹の中)側のつまりを解除する方法です。卵管開口術をすることで卵管の通過性が確保され、卵管に水が溜まらなくなります。もう一つ、子宮と卵管のつながりの部分にクリップをかけること(クリッピング)で卵管は切除せずとも子宮と卵管の通過性をなくす方法もあります。どちらも腹腔鏡下手術となることが多いです。



両側の卵管を切除した場合は体外受精でなければ妊娠は不可能になります。体外受精での妊娠の場合は卵管の機能は必要ないので卵管切除をした後でも妊娠は問題ありません。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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