排卵と同時に内膜剝離し、生理が始まる

黄体ホルモン出現中に卵胞期のホルモン値……。出血の理由や対処法は?

相談者 : Suuuさん(37歳)排卵と同時に内膜が剝離して生理が始まる、という症状が昨年12月から4カ月スパンで出るようになりました。D12〜D15で出血があります。エコーと血液検査では排卵後の黄体ホルモンが出ているのに出血し、子宮内膜は薄いがFSHとE₂は卵胞期のホルモン値になっているという、わけのわからない状態です。そのたびにピルやカウフマン療法でリセットをかけるのですが、明確な理由がわかりません。卵巣機能低下(AMH0.5ng/ml)や年齢のほかに考えられることはありますか?
セント・ルカ産婦人科 宇津宮 隆史 先生 熊本大学医学部卒業。1988 年九州大学生体防御医学研究所講師、1989 年大分県立病院がんセンター第二婦人科部長を経て、1992年セント・ルカ産婦人科開院。国内でいち早く不妊治療に取り組んだパイオニアの一人。開院以来、妊娠数は 9,500 件を超える。

相談内容を見て、どのような印象をもたれましたか?

宇津宮先生● 症状としては、排卵期の出血(中間期出血)だと思われます。もしそうであれば珍しいことではなく、特に薬の処方なども必要ありません。排卵して黄体ホルモンが上昇すれば出血は止まるので、主治医がなぜ説明できていないのか疑問に思います。
 ただし、中間期出血ではない場合、ほかの原因としては年齢的にがんの可能性もあるので、ポリープや子宮内膜がんがないか、子宮の中を調べることが最優先だといえるでしょう。

先生が主治医なら、どのような治療法を提案されますか?

宇津宮先生●「毎回、ピルやカウフマン療法でリセット」という記載がありますが、これはリセットではなく、リセットをかけるための「前準備」です。ピルやカウフマン療法で卵巣を休ませ、次の月経が始まって5日目頃に排卵誘発をかけて排卵させてこそ、初めて「リセット」になります。その流れを行っていなければ、ただ単に卵巣を眠らせているだけ。印象としては、不妊治療専門の先生のようには思えないので、可能であれば専門クリニックへの転院を考えてみてはいかがでしょうか。

最後に、アドバイスをお願いします。

宇津宮先生● AMH 値が0.5ng/mlと低く、卵胞ホルモンの数値からも、ご本人が自覚している通り卵巣機能はかなり低くなっているように思われます。今は違っていても早発閉経の可能性も考慮すべきなので、体外受精にステップアップして、「より早く」出産を目指していただきたいと思います。タイミング法など一般的な不妊治療とは異なり、体外受精まで進めば、月経をコントロールして反応を見ながら適宜ホルモン検査を実施します。そうすることで、今まではわからなかった不妊の原因が明らかになり、その原因に応じた治療を選択することができるので、ぜひ検討していただきたいですね。
 BMI 値も20程度と痩せ型だというのも気になります。当院でも痩せ型の患者さんが多いのですが、母体の栄養が不足していると胎児の糖尿病罹患率が上がるというデータもあります。理想とするBMI は22〜25程度なので、体重の数値だけみれば「太っている」と思うかもしれませんが、目的は元気な赤ちゃんを産むことのはず。規則正しくしっかりと食べて、赤ちゃんを迎え入れる健康的な体をつくることを意識していただきたいと思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。