ああさん(42歳)
規則正しい生活、食事、睡眠は続けていますが、今後授かるまでに何かできることはないでしょうか。
移植も何度か続けるようアドバイスいただいていますが、次回の採卵の時期について決めかねています。
3回移植後がよいのか、2回目移植後がよいのか、どちらが適切でしょうか。
3回移植後は自費になるので、2回目移植終了後の採卵が可能なのかもお伺いしたいです。
広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。

高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
これまで保険診療での採卵1回(7個)、胚盤胞3個が得られ、凍結融解胚移植1回で妊娠に至っていない状況ですので、次の2回目の移植には現在保存されている2個の胚盤胞の移植を提案します。一般的に42歳の胚盤胞における異数性のない正常染色体の割合は4または5個のうち1個程度と統計上報告されているため、妊娠・出産率を高めるためには、複数個の移植が適切と考えます。
また、42歳で、より確率の高い治療を希望されるのであれば、前述した状況より保険診療から自費診療に移行し、着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)を併用した採卵へ向けるのが適切と判断されます。
広島県在住であれば、保険診療が可能な状況で、自費診療に移行し、PGT-Aを施行した場合、助成金(15万円から30万円)の申請も可能となりますので、その制度の確認も重要と思われます。

積極的な排卵誘発を行い、できるだけ多くの胚盤胞を得るようにして、PGT-A「着床前胚染色体異数性解析」を行い、異数性のない胚盤胞を見つけることが必要です。着床不全または不育症検査も併用し、保険診療では併用できなかった着床不全対策、流産対策を行ったうえで、移植に向けることが最も効率のいい治療かと考えます。
移植を続けていく、あるいは不妊治療をしていくことに対して行うべきは、身長、体重から割り出すBMIが27.9と標準を超えています。ゆっくりでもかまわないので、理想的にはBMIを25(65kg)まで下げることが望ましく、それ以上に全身状態の改善もかねて普段の生活に定期的な運動を取り入れることが望ましいと考えます。
