【Q&A】流産原因とホルモン補充の効果~高橋敬一先生【医師監修】

ゆかさん(38歳)

2人目治療で流産を繰り返しています。
原因は染色体異常が殆どだと言われてますが.1人目の妊娠の時も今回の流産でも移植後に身体にかゆみが出ており、抗体の検査として、Th1 Th2の検査をしました。
14くらいの値が出て少し平常値より高いとのことで、次採卵で凍結できたら、次回の移植はタクロリムス服用になりました。
タクロリムスにより妊娠継続できる率は高まるのでしょうか?
また、ホルモン補充しても黄体ホルモン不足で流産してしまうこともあるのでしょうか?

【医師監修】高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生
金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。2022年10月に開院から累計で妊娠2万例を達成する。

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流産が2回続き、ご不安なのですね。
Th1/Th2の値が14だったので、免疫機能が軽度に上昇しているようです。したがって免疫抑制剤のタクロリムスを使用することで、免疫が抑制されて妊娠維持が継続しやすくなるとする報告はあります。ただし、これはまだ全世界的に認められてはいないので「妊娠継続が高まる可能性がある」というニュアンスになります。
ホルモン補充をしても、ホルモン不足で流産する可能性は0ではありませんが、それは各施設が「十分量を使用しているハズ」なので、その可能性は低いと推測されます。ホルモン不足を強く疑う状況だったのでしょうか?

一人出産歴もあるので、最も考えられるのは、偶然おきた胚の染色体異常による流産だと考えられます。ご不安ならば不育症の検査もあり得ますが、いまは予定されている治療法で良いと思いますよ。

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