【Q&A】PGT-A以外にできることは?~高橋敬一先生【医師監修】

キャラまろさん(37歳)

保険診療での移植6回目を終えて、諸検査での結果は大きな異常はなく、精子検査も異常なしでした。
先生からは染色体異常の疑いからPGT-Aの実施を勧められている状況です。
今後は自費での診療となるため、金銭面の問題もありますが、現状で他に実施した方が良い検査や治療などがあれば教えて頂きたいと思います。

【医師監修】高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生
金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。2022年10月に開院から累計で妊娠2万例を達成する。

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1回は子宮外妊娠したものの、治療方法で行き詰っているのですね。
様々な治療法をしているので、現時点での原因は不明な状況と判断します。
PGT-Aは次に行う選択肢の一つではありますが、根本的な解決策というものではなく、「選択肢の一つ」という扱いになります。
検査結果をすべて見ているわけではないので、可能性のある方法をいくつか挙げることになりますのでご参考にしてみてください。
基本検査は問題なしとのことでしたが、内容がわかりませんので一般的な選択肢を挙げてみます。

1)子宮鏡検査は受けていますでしょうか。子宮卵管造影検査は受けていますでしょうか?子宮外妊娠をしていますので、卵管水腫がないことも再確認しておく方が良いでしょう。
2)慢性子宮内膜炎(CD138)の検査は受けていますか?
3)子宮内フローラでサプリメントを内服しているようですが、胚移植する際には、膣内にもプロバイオティクスを挿入していますか。
4)普段から性交渉は持っていますか?体外受精をしている場合でも精子と接している方が免疫的には妊娠維持する方向に変化するのです。
5)亜鉛、銅の検査は受けていますか。
6)高プロラクチン血症の評価はどうなっていますか?まだカバサールの継続が必要な状況でしょうか?低下しすぎてはいませんか?
7)検査の評価は分かれますが、着床能検査(ERPeak、ERA検査)はすることは可能でしょうか?
8)子宮内膜擦過術の可能性はどうなっていますか?
9)シート法や2段階移植をおこなう予定はありますか?
10)精子が正常とのことですが顕微授精が必要な状況なのでしょうか。受精卵が得られるならば、一般的には体外受精胚の方が4%程度妊娠率は高いとされます。顕微授精の理由があるなら別ですが、そうでなければ体外受精(
ふりかけ法)を試してみるのも選択肢の一つになるでしょう。

どれが最も有効かの判断はこの場ではできませんが、PGT-Aは1個の検査で10万円ほどかかります。コスト的にはこれらの検査は比較すれば受けやすい検査や対策と言えるかもしれません。参考になれば幸いです。

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