ほわたまさん(30歳)
PGTAでA判定の4ABを移植しても陰性でした。胚に問題はないため、子宮側に問題があるのでしょうか。
手を尽くしたと思うので、他に何をすればいいのかわかりません。
チャットGPTに聞くと、免疫療法として、タクロリムスやステロイドを進められたのですが…。
残っている胚盤胞はPGT-AでA判定の4ABと、B判定の4ABです。移植すべきか、採卵すべきか、もう何もわかりません。
今後どうすればいいか教えてください。
小川誠司先生に教えていただきました。
藤田医科大学 羽田クリニック 小川 誠司 先生
2004 年名古屋市立大学医学部卒業。2014 年慶應義塾大学病院産婦人科助教、2018 年荻窪病院・虹クリニック、2019 年那須赤十字病院産婦人科副部長、仙台ART クリニック副院長を経て2023年9月、藤田医科大学東京 先端医療研究センターの講師、2024年4月から准教授に就任。自費で最新の医療を受けられるという併設の羽田クリニックで患者さん一人ひとりの思いをかなえるべく診療も行っている。日本産科婦人科学会専門医。日本生殖医療学会専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
●検査歴や治療データを見て、どのような印象をもたれましたか?また、気になる点があれば教えてください。
経過を拝見しますと、ご自身でもご記載の通り、必要な検査、治療は十分にやっておられるように思います。年齢および検査に出された4つの胚の結果から考えますと、4個中2個がA判定であり、年齢相当の正常胚率であることから、これまで移植された良好胚も正常胚であった可能性が高く、受精卵というより着床環境側の要因が主な原因と考えられます。
●今までの治療経過を踏まえて、子宮側に何か問題があると考えられますか?
もし、まだやられていないのであれば、NK活性などの免疫検査を行なっても良いかもしれません。

●免疫療法として、タクロリムスやステロイドの使用が効果的だと考えられますか?
免疫検査の結果次第ですが、NK活性が高い場合、柴苓湯やステロイド、イントラリポスの点滴をお勧めします。結果が異常なければ、使用する必要はないと思います。
●残っている胚盤胞( PGT-AでA判定4ABと、B判定4AB)を移植すべきか、それとも再度採卵を行うべきか、どちらが適切だと考えられますか?
ほわたまさんの場合、胚の問題ではなく、着床環境側の要因が大きいと考えられますので、再度採卵する必要はないと思います。
●ほわたまさんが何か具体的に改善すべき点や試すべき治療方法があれば教えてください。
先に記載しました通り、まずはNK活性の採血をお勧めします。またもしこれまで自然周期あるいは低刺激周期での移植をされておられないようでしたら、ぜひ排卵周期での移植をお勧めします。一般的にホルモン補充周期でも自然周期でも妊娠率は変わらないとされていますが、ごく稀に自然周期の方が適している方がいらっしゃいます。ほわたさんと同じような状況で、自然周期(あるいは低刺激周期)ではじめて妊娠された方も経験があります。
自然周期(あるいは低刺激周期)移植でも妊娠されない場合、ほわたまさんはこれまで流産歴もおありになりますので、いわゆる原因不明不育症に該当すると思います。原因不明不育症に対して、免疫グロブリン療法(連日投与)が有効だとする本邦からの研究があります。ただ高額ですので、最終手段しての選択肢として考えていただくのが良いと思います。