【Q&A】刺激法は変えていい?~久慈先生【医師監修】

みゅうさん (44歳)

採卵に向けての刺激法について質問です。
医師から今後は低刺激でいくと言われていますが、他の刺激法はもう難しいのでしょうか?
AMHですし年齢的にも低刺激を勧められることはわかります。ただ、低刺激にしてからあまりいい結果につながっていないため、このまま低刺激を続けるべきか悩んでいます。
体外受精にステップアップして始めからずっと自費診療のため、採卵は最低でも2個以上の時に行いたい気持ちがあることと、年齢、費用を考えると、体外受精(採卵)ができるのはせいぜいあと1~2回だと思っています。

PPOS法で刺激した時が今までで一番いい結果が出ているので、もう一度PPOS法を試したい気持ちがあるのですが、医師に相談してみてもいいのでしょうか?(院長先生からは、5個取れたのは奇跡的で出来過ぎだと言われたことはあります…)

PPOS法で刺激しても採卵数が増えないかもしれないこと以外に何か問題はあるのでしょうか?
おすすめの刺激法を教えていただきたいです。

Noah ART Clinic 武蔵小杉の久慈先生に聞いてきました

【医師監修】Noah ART Clinic 武蔵小杉 統括医師 久慈直昭 先生 
慶應義塾大学医学部卒。東京医科大学産婦人科学教授を経て、2023年5月より、Noah ART Clinic 武蔵小杉の統括医師に。生殖医療専門医・指導医。臨床遺伝専門医。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

みゅうさんは、AMH値が低く、過去4回の体外受精でも採卵数・発育卵ともに少ないという背景があります。そのため、主治医の先生は以下のような理由から「低刺激法」を勧めていると考えられます。

低刺激法をすすめる理由しては、
(1)経済的負担を軽減するため
治療費が全額自己負担となる中で、低刺激法は比較的コストが抑えられます。

(2)卵が育ちにくい周期への配慮
卵の質が安定しない中、毎日注射を行うような刺激方法では身体的・経済的な負担が大きくなるため、負担の少ない低刺激法が提案されています。

しかしPPOS法は、この場合でも採卵のための一つの手法として有効と考えられます。もし「あと何回かで結果を出したい」というように治療回数の上限を決めている場合には、負担の上限もはっきりしますので主治医と相談しながらPPOS法を取り入れてみるのも一案です。
PPOS法は進化しており、以前は「注射と飲み薬を並行して使用する」のが一般的でしたが、現在では下記のようにさまざまな改良がなされています。

・前半は注射のみ、後半に薬と注射を併用する方法
・注射薬の種類を変更する など
これにより、同じPPOS法でもアプローチ次第で結果が変わる可能性があります。

一般的に調節卵巣刺激法は多くの卵を採ることが可能とされていますが、これはそもそも「1周期に育ち得る卵が多い場合」に有効です。ですから育つ卵の数がもともと少ない場合には、調節刺激であっても低刺激であっても、最終的に採れる卵の数は大きく変わらない可能性もあります。

主治医は、患者さんの経済的負担と体への負担を考慮して低刺激法を提案していると考えられます。ただし、低刺激だと1個しか採れないが、PPOS法なら2個採れるかもしれないという可能性があるなら、PPOS法を試す選択も十分にありえます。特にみゅうさん自身が「やってみたい」と思うのであれば、注射の内容やタイミングを相談してみてください。

このように、どの方法が最善かは一概に言えず、みゅうさん自身の希望や状況、回数や費用の見通しを踏まえながら主治医と相談することが重要です。治療法には選択肢があり、それぞれに工夫を加えることで可能性は広がります。「あと何回かにかけたい」という気持ちがあるなら、ぜひ主治医とじっくり話し合い、納得のいく治療を選んでください。

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