【Q&A】生理5日目で卵胞→3日後消失…妊娠に影響は?~藤野 祐司先生【医師監修】

まちさん (35歳)

生理5日目に卵胞チェックで排卵しそうな卵がいたけど、3日目に排卵確認しにいったら卵胞が消えていて、先生いわく「前周期の卵胞だと思います」とのことでした。これは、遺残卵胞と言うのでしょうか?その場合、今育っている卵胞に影響はありますか?この卵胞が育って排卵したら妊娠は可能なのでしょうか?今回に影響しないか不安です。

その時に排卵検査薬も使ってますが、前周期の卵胞がなくなった日くらいから体温が高温期まで上がったのも前周期の卵胞の影響ですか?
気にしなくてもいいでしょうか?

あと、遺残卵胞があったとしても排卵検査薬は反応するということでしょうか?

いくつか質問があってすみません、わかりやすく教えていただけると幸いです。

藤野 先生に聞いてみました。

【医師監修】ウィメンズクリニック本町  藤野 祐司 先生
大阪市立大学医学部卒業。藤野婦人科クリニックの院長を務めた後、平成28年にウィメンズクリニック本町を開院。
ご夫婦・ご家族の“夢”の実現に向かって、希望を叶えられるよう、患者さんの状況に合わせた診療を提供することを大切にしている。
日本産婦人科学会専門医、生殖医療専門医。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

●まちさんの「前周期の卵胞が残っている」という現象は遺残卵胞と呼ばれるものでしょうか?

月経中に卵巣に比較的大きな卵胞が確認されることは時にあります。これを“遺残卵胞”と表現します。ただ前周期の排卵し損ねた卵胞(本当の意味での“遺残卵胞”)であるのか、月経前から発育し始めた卵胞かは判断に困ることがあります。「3日後に卵胞が消えた」ということなのですが、その後、「高温期になった」ことから考えますと、月経5日目に確認された卵胞は排卵したものと思います。“遺残卵胞”は通常は排卵せずに徐々に小さくなっていきます。その後、新たな卵胞が大きくなって排卵することが一般的です。

●遺残卵胞がある場合、現在育っている卵胞に何らかの影響を及ぼす可能性はありますか?

月経前の高温期から卵胞が発育し、月経後早い時期に排卵する現象が認められます。特に卵巣予備能は低い場合、即ち、卵巣に残っている卵子数が少ないような場合や、前周期の排卵の後、エストロゲンプロゲステロンの分泌不全がある場合にみられます脳下垂体と卵巣のリズムにズレが生じた結果では無いかと推察されます。あるいは、卵巣予備能をチェックする目的で、AMH値を検査してみられるのも良いでしょう。

●この卵胞が育って排卵したら妊娠は可能なのでしょうか?

今回のエピソードでは、大変早く発育した卵胞で、排卵が起こっていた可能性がありますので妊娠に結びつく可能性もあったかも知れません。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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