はるかさん(29歳)
体外受精にステップアップするか悩んでいます。
クリニックで「人工授精は何回くらいするべきですか?」と聞いたところ、「5〜6回」と答えが返ってきました。
卵管造影検査と同周期に人工授精を開始したので、ゴールデン期?を考えても、一般的な確率などからも5〜6回が妥当だとは思います。
ただ、なんだか期待できず、続けるのが辛くなってきました。
毎月の支払いは1万円弱ですが、それを重ねるのも意味があるのか?と思ってしまいます。
健康保険に付加給付があるので、うまく1ヶ月以内に調整してもらえるのであれば、体外受精でも支払いが2万円になることもあり、ステップアップを悩んでいます。
主治医の言う通り、人工授精を5〜6回してからステップアップしたほうが良いのでしょうか?
体外受精で一番お金がかかる部分をできる限り1ヶ月にまとめてもらうことは可能なのでしょうか?
最終的にはクリニックに確認しますが、現実的に可能なのか伺いたいです。
亀田IVFクリニック幕張の小川達之先生にお伺いしました。
【医師監修】亀田IVFクリニック幕張 小川達之 先生
2009年山梨大学医学部卒業。2016年より山梨大学医学部附属病院産婦人科にて不妊治療にあたる。2024年4月より亀田IVFクリニック幕張に入職。ひとりひとり個別の状況に対応し、患者様の立場に立った医療を提供したいという想いを持って日々、診療に従事。医学博士。日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医。日本生殖医療学会生殖医療専門医・指導医。日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
35歳未満などであれば、人工授精は5-
6回を上限にすることが多いと思います。
それ以上の回数を実施しても妊娠成立する症例がとても少ないため
です。明らかな不妊原因がなく、
人工授精を始める以前に排卵頃のタイミングをしっかり取れていた
周期がある程度あったのであれば、人工授精は5-
6回よりも少なく体外受精にステップアップすることもあります。
体外受精にかかる費用を1ヶ月にまとめるとしたら、例えば前の周期にピルなどを内服して月の初旬に消退出血(ホルモン剤を使って起こした生理だと思っていただいて構いません)を起こして、そこから低刺激〜強くても中刺激程度の調節卵巣刺激を開始し、月の半ば過ぎに採卵して、数日後に新鮮胚移植をする。そうすると理論上は1ヶ月にまとまります。
ただ、それが必ずしも妊娠への近道になるとは限りません。AMHがある程度高いと、新鮮胚移植では卵巣過剰刺激症候群の可能性が高まります。また、中刺激〜高刺激でしっかりと卵子数をとりにいくことをしないため、その新鮮胚移植で妊娠成立しなかった場合に凍結胚がない可能性も高まり、次もまた採卵からになるかもしれません。
よく相談してください。応援しています。